RMU麻雀ファクトリーの一幕 「メンタンピンにこだわらない」 | RMU公式ブログ

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RMU麻雀ファクトリーの一幕
「メンタンピンにこだわらない」




RMU麻雀ファクトリー 。それはトッププロを目指すRMUの競技選手が集まり、S級ライセンス多井隆晴プロらに講義を受ける技術研鑽の場である。トッププロの思考や麻雀観を、実際の対局を通じて感じることができる―――。



<研修対局の一幕>



北岡あおい「多井さん、これどうしたらいいですかね?」



2萬3萬3萬4筒5筒6筒7筒1索1索3索4索5索7索7索   ドラ南

二三三(4567)1134577 ドラN



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多井隆晴 プロ「ん? あー、これは簡単なようで難しいね」



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北「多井さんは何切りますか?」


多「この手、3萬三切りたいだろ?悪くないよ、マジョリティーはそれだろうね。次善手で1索1かな」


北「3萬三切り、ダメですか? 柔軟でいいと思うんですけど」


多「だから悪くはないよ。でもな、『最速最強※』は違うんだよ。ここは黙って7索7切ってみな」


北「え? 7索7ですか?」


多「いいからダマされたと思って」


北「はい」


7索7



2萬3萬3萬4筒5筒6筒7筒1索1索3索4索5索7索
二三三(4567)113457


多「多井の世界へようこそ!


北「うーん、これは今まで切ったことないです」


多「次に引く牌を考えなきゃダメだ。まず考えてほしいのは、この形に1萬4萬一四引いた形からできるテンパイがどんだけ強いかってこと」


北「うーん…あ! それは2萬3萬3萬4萬5萬二三三四五みたいな、いわゆる先尖牌(3と7の牌)を自分で2枚使うこの世で一番強い待ちのことですね。他家は使いづらいし、河になければ山にいることが多くてツモりやすいっていう」


多「誰に説明してるんだよ(笑) まあいいや、よく覚えてるじゃないか」



さらにツモ4萬四、打7索7の形


2萬3萬3萬4萬4筒5筒6筒7筒1索1索3索4索5索
二三三四(4567)11345




さらにツモ1萬一or四4萬でのテンパイ

1萬2萬3萬3萬4萬4筒5筒6筒1索1索3索4索5索

一二三三四(456)11345


2萬3萬3萬4萬4萬4筒5筒6筒1索1索3索4索5索
二三三四四(456)11345


北「確かにこれは、すぐにアガれそうですね! 1萬4萬一四じゃなくて2萬5萬二五を引いてもいい形になりますし。

でも多井さん、それでも7索7じゃなくて1索1を切っておけばメンタンピンでしょ? 


3萬三切らないなら、1索1を切ってもいいと思うんですけど」


多「一般的にはその考え方で間違ってないよ。俺だってできることならメンタンピンにしたいさ。


でも、この7索7のまわりにくっついても待ちが良くなるからね。


あと、今は序盤で1萬4萬一四や6索9索69があんまり切られていないからいいかもしれないけど、すぐにババっと切られることもあるんだぞ。そうしたら一気に苦しくなる。


だからタンピンに気を取られるよりも、7索7を1枚浮かせて柔軟に構えるようにしておけば、それで充分なんだよ」


北「確かに端の牌はまとめて切られやすいですね。自分でいい待ちだと思っていても、すぐに枚数が減っちゃう…なんてことってよくあります」


多「いい待ちっていうのは、『他家が使いにくい=場に出やすい牌』ってことだからな。これを忘れちゃいけない。


分かりやすく言えばさ、例えばチートイツのイーシャンテン。3枚浮いた牌を持ってて、これとこれとこれはいい待ちだから早くテンパイしたい…! なんてことがよくあるだろ。でもさ、そういう時のその3種類の牌は、すぐに河に出てくるんだよ。自分がイーシャンテンのうちに切られちゃう。


だから、その3枚を見つけてハイ終了! じゃなくて、他にどんな手の変化があるかってことを考えておかなくちゃいけないんだ。


これはシュンツ系の手でも同じことが言えるよ。


話にすると当たり前みたいに聞こえるかもしれないけど。これを知識として常に頭に入れて、そこからそうなってしまった未来の形を想定して打てるかどうかっていうのは、ものすごく大事なことなんだ」


北「なるほど…。なかなか普段から、そこまで深く先のことを考えて打てていないと思います」



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多「それともう一つ。どんな時でも端牌のトイツ落としでタンヤオ狙いってフォームは論外だよ。


いいかい? 今から大事なこと言うから覚えておいて。


メンタンピンって言葉があるだろ。あれが良くないんだよ。みんな優先順位を勘違いしちゃうんだよな。


一番大事なのはピンフだよ。


リーチでもタンヤオでもなく、まずリャンメンでアガりやすいピンフのテンパイを逃さないことなんだ。


だから俺に言わせりゃメンタンピンじゃなくて、『ピンメンタン』。タンヤオは最後でいいんだ。でもみんな、仕掛けが利くからってことでタンヤオばっかりやるだろ。


そうすると、タンヤオドラ1とか、ひどい場合はタンヤオのみみたいな、場に見合わない安手で、勝算の合わない勝負をしなきゃいけなくなる局面が増えるんだよ」


北「確かに、鳴いてテンパイが取れるなら取ろうって、タンヤオのみのテンパイを取ることって結構多いですね。それで、手牌が短い状態でリーチがかかってどうしようもなくなる…みたいなこともあります」


多「この手はな、一般的には3萬三で正解だよ。全然間違っちゃいない。でも俺はこの手は7索7が正解だと思ってる。


覚えておいてくれよ、世の中の正解が本当に正解だとは限らないから。


常に先のことを考えて、テンパイがゴールじゃなくて、アガリをゴールと考えて打たなきゃダメだよ」


北「はい!」




※『最速最強』 多井隆晴プロのキャッチフレーズ。



RMU麻雀ファクトリーはRMU会員ならば誰でも参加可能。

多数の選手・会員の参加をお待ちしています。




文責 小林景悟


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