sei様罠リク~バランスが大事です(11-3)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

「つ、敦賀さんは……後悔しませんか?」

「ん?」

「私の『愛』は、重苦しいですよ?」



 ショータローとの関係を知っている、彼なら分かるはず。

 その求める『愛』の重ささえも。

 私と敦賀さんではバランスがとれていないのに……。



「あははっ。君の気持ちが重苦しいレベルなら、俺の想いは窒息するほどの重みがあるな。俺の『愛』はヘビー級だから。」

「そんなこと、ないです。」



 だって、敦賀さんはいつだって飄々としていたもの!!私がどれだけ翻弄されたか、この人は分かっていないんだ!!



「分かっていないのは君の方だ。……俺の手を取れば、すぐ分かるよ。」



 「だから。俺の手を取って?」と。

 

言った彼の言葉を、私は信じていなかったけれど……。



 差し出された手が放つ、得も言われぬ魅力に負けて……。







******







「君の言うとおり、バランスは大事だけれど。」



 フラフラと、彼の手に己の手を重ねてしまった、1年後。



「俺達は、とてもバランスがいいと思うよ。」



 少し膨らんだ私のお腹に手を触れながら、嬉しそうな笑顔を浮かべる彼を見ながら、もう、私は肯くことしかできなかった。



 彼の隣に立つことが当たり前になり。

 彼が私に甘えることが当然のことになり。

 私が怒るほど彼が私を甘やかすことが毎日のことになり。

 彼が私の隣で神々スマイルを浮かべる日々が重なることで。



 『敦賀蓮』、『クオン=ヒズリ』という二つの顔を持つ男性の、情けないところも、深い闇にもふれる日々で。

 決して光輝くだけの存在ではない彼を知ることで、私と彼は、お互いを信じ、支え合うことを誓うことができた。



「何より身体の相性もいいことだしね?」

「~~~~~もうっ!!」

「あははっ。…はやく、一緒に遊びたいな。」



 「元気に生まれておいで。」と私のお腹に語りかける、少年のような瞳をした男の人を見て、私は笑顔を浮かべた。



「バランスのいい二人の子どもなんだから、きっといい子だよ。」

「……そうとも言い切れませんよ。何せ『私達』の子どもですから。」

「…………。まぁ、大丈夫だよ。二人で育てれば。」

「………。そうですね。」



 これからも続く、二人で歩む道。

 不安な時もあるだろう。迷うこともあるだろう。



 でも。

 アンバランスな二人で支え合えば、うまく生きられる。



「「俺(私)たち、バランスだけはいいからね(ですから)。」」



(バランスが大事です FIN)



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