かけがえのない日々~SweetHoney2(3)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

「『独り』にして、ごめんなさい。」

「…………。」

「気付いていたのに。貴方のこと。」



 まだ触れているのは怖い。触れた先から、傷つけてしまうのではないかと。

 そんな不安が、身体中を駆け巡る。



 そんな恐怖に震えながらも触れる、少女の頬に当てた掌。その甲に、そっとキョーコの小さな手が触れる。



「嬉しい……。」

「え……?」

「貴方に会えて、嬉しい。」

「っ!!」



 キョーコのその言葉を頭が理解した瞬間。

 本能的に、欲した存在を掻き抱く。



―――闇に沈む『俺』に、感情なんてないはずなのに……―――



 誰の手も届かない暗闇の底で、誰に触れられることも望まずに生きてきたのに……。



 それなのに、触れてしまった。

欲しいと思ってしまった。

 決して望んではいけないのに。



 ……抱きしめた存在を、身体の中に取り込みたい……

……ひとつに、なりたい……



蓮は必死になってキョーコを抱きしめる。



―――こんな大男が、力任せにか弱い女の子を抱きしめるなんて……―――



 痛いだろう。

苦しいだろう。



こんなにも力の限り抱きしめたら、息もできないに違いない。



 分かっている。



 でも、腕を緩めてあげることができない。



―――嬉しい……。―――



 少女は、そう呟いたのだ。

 犯した罪を償う方法を知らず、弱って傷ついたまま、底知れぬ闇に沈んだ心。



 そんな息もできない、他の誰も立ち入ることのできない心の底へ、少女はたった独りでやってきた。

 そして、もはや一生、浮上することなどできない脆弱な心に手を伸ばしてくれた。



 真っ白な少女を取り込もうと懸命になる細胞全てが、穢れているのに。

 触れるその先から、彼女を汚していくと分かっているのに。



―――…ひとつに、なりたい…―――










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