sei様罠リク~バランスが大事です(7-1)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆

sideキョーコ)



「あ、あの……。」

「ん?何?あぁ、もしかして足が痛い?ちょっとヒールが高いからね。」



 私の手を引き、歩く美しい男性。某有名ホテルのエントランスがものすごく似合ってしまう、ゴージャスなオーラを身に纏った彼に連れられてきたホテル内にて。



 彼の歩みを止めたくて、繋がれた手を引っ張ると。

彼は素直に立ち止り、ゆっくりと振り返ってくれる。



 ……眩い、稲穂のような髪に……美しい、海のような蒼の瞳。



 思わず目を細めて見つめるその色は、別に珍しいものじゃない。

 この国では確かにあまり見ない色だけど、私は老舗旅館で長く働いていた経歴を持つ女。

 海外からの旅行者だって接客してきたもの。だからそこは全然問題じゃない。



 問題、なのは……



「あなたは……」

「ごめんね、気づかなくて。」

「ひやぁ!!??」



 問おうとした瞬間に、膝裏を掬われ、抱きあげられる。

 グラリと身体が横になって、そのまま浮き上がる感覚に驚き、私は美しい金糸の髪を持つ彼の頭に抱きついた。



 ……この、病みつきになる、髪質。これには覚えがありますぎる。



 一度触れるとニ度と手を離す気になれない可愛い感触は、そう遠くない過去、『彼』が寝ているすきに触れ続けたものだった。



 いや、でも今はそれどころじゃなくてっ……!!



「あ、あぁぁぁぁあのっ!!お、おろしてください~~!!」

「え?どうして?」



 なんで、なんでお姫様抱っこなんかされているのよ、私~~~~!!!!



「私、大丈夫ですから!!全然足は痛くないですから!!」

「え?そう?……そうだね。じゃあ、『ヒールじゃ歩きにくいから』っていう理由はどう?」

「!?い、いえ!!ナツの修行でヒールにも慣れましたから!!全然問題ございません!!」

「そうか……。じゃあ、『単にお姫様抱っこをしてほしかった』っていう理由はどう?」

「!?いやいや、私、絶対そんなこと、願ったりしませんっ!!そんな願望、私には一切ございません!!むしろ自分の足でですね、地面を踏みしめるのがですね!?私の理想と言いますか!!生き様といいますか!!」

「じゃあ、『俺がキョーコちゃんをお姫様抱っこをしたかった。』…ね?これで解決しただろう?」

「え!?何が解決したんですか!?何も解決してません!!降ろしてください~~~!!」



 このとっては返す言葉のあやとりっ!!

 意地悪すぎる言動の数々っ!!



 これは、これは……!!容姿が違うけれど、間違いなくっ!!



『まぁ~~~~~~!!!!あなた~~~~~~~!!』



 答えを導き出そうとした私の耳に、とんでもなく透き通る、女神のような美しい声が……大音量で、響いてきた。








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