時は唐代。人間と妖怪が共存していた桃源の時代は過ぎ去り、世は混沌としていた。
そんな時代を憂いた1人の高僧が、世界を救うべく立ち上がった。
その僧侶と弟子を導き、天竺へ向かわせた天界人。
その名が……
観世音菩薩!!
「ん?今、紹介されたよな?」
「はい。でも、いませんね。………はっ!!もしや!!(ピシャ――ン!!)」
「え?なんだ!?」
「菩薩の衣ですよ……。」
「は?菩薩の衣???」
「あんな胸を肌蹴させた衣を……も、最上さんが着たとしたらっ!!(ゴクリッ)」
「はぁ!?キョーコが衲衣を着るだって!?色気もねぇくせにそんなもん着たって見れたもんじゃねぇ!!(ギラギラ光る瞳)」
「ちょっと待て!!俺、全然話が見えない!」
「社よ。これが衲衣だ。(観世音菩薩の写真、公開)」
「!!??ブファッ!!」
「ん?社さん?今、最上さんで一体何を想像しました?(キュラリ☆)」
「!!何も想像していない!!想像なんてするわけない!!」
「それにしても、仏像はオリエンタルな色気があるとは思っていましたが……最上さんに、あんな胸がポロリなピ~~~~~……(敦賀蓮のイメージが崩れるため、自主規制)」
「てめぇ!!どんだけタマってんだ~~!!キョーコを穢れた目で見るな~~~!!」
「その前にお前、仏像をヨコシマな見方するな!!」
「ブツブツ……だから最上さん、出てこないのか……?きっと怖気づくほど恥ずかしい格好をしているに違いない……。かわいそうに……ブツブツ……。俺が迎えに行って…それからそのまま……ブツブツ……」
「こら~~~!!だから妄想するんじゃねぇ!!キョーコが穢れる!!」
「その前に、仏様の格好を恥ずかしいとか言うな!!この仏教徒の敵め!!」
「失礼いたします。」
「「「うわぁ!!??」」」
「お~~~、お前が菩薩かぁ~~~。」
「はい、旦那様。」
「いつからそこにいたんだ?」
「社様が『ん?今、紹介されたよな?』とおっしゃったところから、ずっと皆様の背後におりました。」
「ということは、Act.5が始まった時点から!?けっ…気配が全くしなかったぞ……。さすが社長の側近……。」
「恐れ入ります。(ペコリ)」
「っていうか!!何で彼が観世音菩薩なんですか!?最上さんは!?」
「ん?理由か?」
ローリィの側近だからです。
「はぁ!?意味わかんねェ!!」
ローリィのテンションに付き従い、平然としていられる方は悟りの境地にいると思います。
「…………。あぁ……なるほど……。」
「……分かる、気がしますっ!!分かる気がするだけに……!!最上さんじゃないことに文句を言いきれないっっ!!(悶絶)」
「ちょっと待て!!意味わかんねェって!!」
「旦那様、お待たせいたしました。シャトー・ぺトリュスの1986年物です。」
「お~~。」
「ところであんた、誰だよ!!」
「旦那様の側近ですが。」
「名前は何だ!!」
それはスキビ界の不思議の1つです。
「ちなみにどこの国の人間なんだ!!」
それもスキビ界の不思議の1つです。
「っていうか、どうやって気配消していたんだ!?」
それもスキビ界の不思議の1つです。
「~~~~1人で一体、どれだけの不思議を抱えているんだ!?」
それもスキビ界の不思議の1つ…「ぅら~~~~~~~!!(エアーちゃぶ台返し)」
「恐ろしい…1人で七不思議が作れるほどの『不思議』を持つだなんて…。」
「社。お前も相当不思議人間だぞ。」
「そういう貴方もそうでしょう。」
というか、全員がそうだと思います。
「それでは旦那様、敦賀様、社様、不破様。そろそろお時間でございます。」
「お~、そうか。」
「?え?何の時間ですか?」
「西方へ向かうお時間です。牛魔王とその一派が、今か今かと皆様のお付きをお待ちしております。」
「えぇ!?もしや、次、アクションシーン!?」
「ほ~~!!やっぱり三蔵一行なんだから、邪魔者が入らんわけには話が進まないわな!!楽しみだ♪(意気揚々と進み始めるローリィ三蔵)」
「お、俺…単なるマネージャーなのに……。いきなり高度なことを求められても……。」
「大丈夫ですよ。どうせ社長1人で大暴れしますって。」
「そ、そうだな。…よしっ!!それじゃあ、蓮!!俺達も行くぞ!!」
「はい。」
さてさて、やっと西方へ向かい始めた三蔵一行。これで何とか、天竺までの一歩が踏み出せましたね。
「おい!待て~~~っ!!置いて行くな~~~~!!」
尚八戒が遅れをとりつつ、なんとか始まった4人の旅路……。彼らを待ち受けるのは一体、何者なのか!?
次回、『さいゆ~き act6』、お楽しみに!!