私はきっと、この日を忘れない。
私の可愛い子ども達の初めてのサプライズを。
……色々な意味で、忘れない……
6月第3日曜日。私はその日、自宅で久しぶりのオフを満喫していた。そんな私に届いたものは、小包1つに…段ボール箱1つ。
「?なんだ、これは……?」
日本から送られてきた『それら』。ボスの息子である皇貴が朝っぱらから尋ねてきて、置いて行ったものだ。「LMEから」ということなのだが…ボスからは特に何の連絡もなかった。
不思議に思いながらも、私は小さいほうから包みを開けることにした。
LMEから、ということであれば特に怪しいものでもないだろう。しかも、皇貴が持ってきたとなれば不審に思う方がおかしい。
「これはっ……!!」
そうして開けられた包みの中から現れたのは、美しい桐の箱。その蓋を開ければ…中には、日本の某島の…名酒が収められていた。深く、美しい青色の酒瓶が、キラリと照明を反射して輝いている。
そして何よりも嬉しいものが、酒瓶の上にそっと添えられていた。
『お父さんへ いつもありがとう キョーコ』
可愛らしいカードに書かれた、丁寧な文字。
「キョーコッ!!」
言葉はそれだけだが、そこに込められた想いは分かる…気がする。手本のように綺麗な文字で綴られたその文章を、私は感激に震えながら見つめた。
どれだけそのカードを見つめていただろうか。私はカードと酒瓶を一度だけぎゅっと抱きしめて、テーブルの上に置いた。
「それから、これは……。」
そしてもう一つのバカでかい箱を見つめる。…なぜだろう、今すぐ開けたいと思う気持ちはあるのに…開けてはならない箱のような気も、する。
そう思いながらも、私は意を決して箱を開けた。
「これは……!!」
私の目に飛び込んできたのは、某県の私の好きなメーカーの『柿ピー』。
「すごい、段ボール1箱分!!」
日本に帰った時以来の柿ピーに、私のテンションはMAXに上がる。これはキョーコの酒と一緒に楽しめと言うことだな!!と、結論づけると私は早速一袋をその中から取り出してみる。
「…ん?」
そして私は段ボールの片隅に挟みこまれている茶封筒を見つけることとなった。
「なんだろう?」
角2サイズの1センチほどの厚みのあるその封筒を取り出して、私は小首をかしげながらも…柿ピーの袋を開ける前にその封を切った。
そこに何が入っているのか、全く想像もつかないまま。