かけがえのない日々~そして始まる、日々(1)~ | ななちのブログ

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このブログは、スキップビート好きの非公式2次小説作成SS中心です。作品については、あくまで個人の趣味で作成しています。
馬車馬のごとく働く社会人ですので、更新スピードは亀ですが、よろしければお読みください☆


「え?敦賀君と京子さんですか?…そうですねぇ。仲のいい先輩後輩、といいますか。…え?あはは、恋人同士ですか!?僕が知る限りでは、そんな雰囲気はなかったですねぇ。…ところで、京子さんの容体はどうなんですか?」

「え?敦賀さんと京子ちゃんの関係、ですか?そうですね…。例えるなら兄妹みたいな感じだったかな?敦賀さん、京子ちゃんがいるとちょっとリラックスしている感じはありましたよ。でも、可愛い妹を苛めて怒るのを楽しんでいるみたいな雰囲気があったといいますか…。クスクス、その時の京子ちゃんの反応は『未緒様』のメイクの怖さも合わさって時々スタジオを氷点下の寒さに持っていくんですよ。面白かったなぁ…。…そういえば、京子ちゃんの容体のこと、よく聞いていないんですけれど…大丈夫なんでしょうか?」



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「京子の性格、ですか?そうですねぇ。ナツとは全然違いますよ?普段は素うどんみたいなコだし。」

「あははっ、そうそう!!しかも、このスタジオで苛められていたのって、どっちかっていうとマルミーより京子よねぇ!!あ、苛めるというより、いじる、か。本当に反応が面白くって!!」

「そうなんですぅ!!留美も京子ちゃんに嘘泣きして、逆に泣かせたことありますよ♪」

「留美ちゃん、性格悪い……。」

「ぶぅ~~。騙される京子ちゃんが悪いのよ!!」

「あ、でも変な言動多いよねぇ。」

「そうそう!!一体年幾つなの!?みたいな『京子語録』!!『破廉恥ですぅ~!!』が一番笑えたわ~~。」

「ねぇ?ちょっとエロいシーンのある漫画読んでいただけなのにねぇ?全身真っ赤っかになっちゃって!!」

「京子さんには刺激が強いのよ……。」

「え~~!!??あれくらい別に普通だよ!!ねぇ?別に18禁じゃないし。全年齢向けだし。」

「は~~い。留美も普通だと思いま~す!!」

「こら、あんたアイドルなんだからそんなこと言わない!!」

「…はぁ~~…。え~と、とにかく。私達の中の京子さんのイメージは、こんな感じです。」

「あ、後、やたら礼儀正しい!!」

「それから~、笑顔が可愛いの~~。でも、泣かせてみたくなるのよね☆」

「留美ちゃん…だからアイドルなんだから鬼畜発言をしないの!!」

「……もう!!…とにかく、まとめさせていただくと!!京子さんは礼儀正しくて今時化石となっているぐらいの純情乙女なんです!!」

「『結婚するまで純潔貫く』とかいいそうだよね~。」

「あはは、普通にありえる!!っていうか、言っているんじゃないの?男いたらその人、可哀想すぎ!!笑える~~。」

「……も~~う!!せっかくまとめたのに~~!!」



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「えぇ?敦賀君と京子ちゃんが恋人同士?はははっ、ないない、絶対ないね!!だってさ、俺、敦賀君の前で京子ちゃん、口説いたことあるんだよ?なのにニコニコ笑って、別の女の子に囲まれて楽しそうに話をしていたもん。あれで本当は京子ちゃんが本命だったっていうんならとんだヘタレ野郎だね。

…え?いつ口説いていたかって?そりゃあ、ダークムーンの打ち上げの時だよ。いやぁ~~…女のコは本当に怖い!!特に京子ちゃんの変身ぶりはもう格別だよねぇ…。俺、CGかと思ったもん。マジ俺の好みにドストライクだったからね!!

大体だよ?あのゴ―ジャスターとか呼ばれている敦賀君と付き合っているんなら、打ち上げ会場に学校の制服なんかで来ると思う?彼氏ならそこは絶対彼女の頭から足の爪先まで、総てコーディネートしてやるもんだろう?そこに気が回らない男なわけがないだろうし。

大体さぁ、打ち上げの時だってあの二人、全然色気のない会話していたんだから。ご飯をしっかり食べろだの、酒は飲みすぎるなだの、しっかり睡眠とれているのかとか…。なんか田舎の母親に叱られる息子と肝っ玉母ちゃんの会話を聞いている気分だったよ…。

だから、普通にありえないって。あの二人は先輩後輩であり、息子と母親みたいなもんだよ。それ以上の関係だったら俺、この命とも言える髪を剃ってもいいね!!

…あ、そういえば。記者さん達知っている?京子ちゃんの容体。…え~~?マスメディアならそっちのこと、俺より知ってないとだめだろ~~?何口ごもっちゃってんの?」



――――



「ふ~~~ん…。なんていうか…こりゃあ、思った以上に早く状況は落ち着きそうだなぁ…。」

「全く…。とんでもない噂が流れていますね!!大体、仲がいい先輩後輩でさえないのに、どうしてこんな根も葉もない噂が世間のお茶の間を賑わせているんですか!?」



 須永総合病院の特別病室で、キョーコと須永は貴島秀人がにこやかに記者のインタビューに答えている姿を見ていた。



「事務所は完全否定で、坊主自体も爽やか笑顔で全否定。…こりゃあ噂が消えるのに75日も必要ねぇな。」

「当然です!!事実無根なわけですから!!」



 鼻息荒く言い捨てるキョーコを、須永はちらりと見た。

 どうやらキョーコは、どこの現場でも充分すぎるほどに愛されていたようだ。ダークムーンの監督…そして、主演女優…。それから、BOX-Rの主要人物を演じる女子高生たち。もちろん、貴島秀人も。キョーコと…そして恐らく、事情を薄々と勘づいている面々は、蓮をマスコミ達から守ろうとしている。



「…さってと。昨日は『暗黒人生小学校編』だったな。そしたら今日は、嬢ちゃんの『暗黒人生中学編』を聞こうか?」



 須永はテレビの電源を切ると、キョーコに向き合う。



「はい!!いくらでも語りますよ!!」



 キョーコは拳を握り、気合をいれると、大きく息を吸い込んだ。






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