シンセサイザーの自作は男のロマン(1977年)キットの登場 | 飯田橋ガジェット研究室

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改題しました。ガジェット (gadget) とは一般に道具、装置、仕掛けのこと。 本来は原寸大の模型やラジコン、エレクトロニクスデバイスを使って、First Person Viewを実現するブログです。

「初歩のラジオ」1977年1月号から連載された、山下春生さんの「ミュージック・シンセサイザーの回路から製作,徹底ガイド」は、本格的なモジュラー型シンセサイザーの記事として、現在でも熱心な読者から支持されている。これについては後に別項で残すとして、同じ77年に発売された画期的なシンセサイザーキットの数々について、当時の広告を元に記録しておく。

資料は手元にある電波新聞社刊「ラジオの製作」と誠文堂新光社刊「初歩のラジオ」。そろいではなくばらばらなので、正確さは期待しないでほしい。

まず「ラジオの製作」1977年3月号。ご存知、ウェーブキットの広告。これが手元にある最初期のもの。本文に「今、話題のシンセサイザーキットがついに登場しました」とある。扱いは東京ラジオデパートB1Fにあった秋葉原エレクトリックパーツというお店。

当時、高校2年生で山下春生さんの「ミュージック・シンセサイザーの回路から製作,徹底ガイド」に影響を受けて、シンセサイザーの自作に挑戦しようと画策しつつも、資金不足と受験の迫る状況ではと躊躇していたところに、いきなり自作の最短距離が示されたという感じだった。

ボードで1万円を切る価格、VRとスイッチセットを足しても15000円そこそこという魅力的な価格に購入を決断。通販で入手した。

さっそくボードのみのバラックでくみ上げてみた。すると僥倖なことに問題なく作動。うたい文句どおりにシンセサイザーとしてちゃんと機能したのである。問題はキーボードだったが、ベニヤ板とグラスウールの基板を組み合わせてそれらしいものを作り上げた。演奏すると鍵盤をたたくたびにカタカタと大きな音がして、まぁ、まともな実用には耐えないものでした。

その3ヵ月後の広告。「ラジオの製作」1977年6月号に平型のケースに収められた「マイクロウェーブシンセサイザー」が発売されている。写真は1977年9月号。基板はウェーブキットと同じものだが、ケースには簡易キーボードまで備わっている。ケースの製作を躊躇していた僕には、ケースだけでも売ってくれないかと思案したものです。

9月号の写真では「高性能はしご型VCF&LFOキット」という改造パーツや、木製ケースを含む付属品キットまで売っている。

これは1977年6月号の若松通商の広告。

この項、続きます。