16日にオープンが予定されている国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の新常設展示室「現代」について、沖縄戦や原爆投下に関する展示内容の不備を指摘する声が関係者から相次ぎ、準備が大幅に遅れている。

 概要を発表する記者会見も「準備不足」を理由に、当初の2日から8日に延期された。国立の歴史博物館が初めて昭和戦争の歴史解釈に挑む“戦争展示”として注目されているが、多難なスタートとなりそうだ。

 1983年に開館した同館は原始・古代から近代までの五つの展示室を公開。今月、オープンする第6展示室「現代」は、1930~70年代までが対象だが、この間の昭和戦争期については多様な歴史解釈があり、難しい展示になることは当初から予想されていた。2005年に館外の歴史学者ら十数人を加えた展示委員会を設け、助言を受ける形で準備を進めてきた。

 沖縄戦と原爆投下を扱う「大量殺戮(さつりく)の時代」の展示は当初、予定になかったが、途中で盛り込むことが決まった。ところが、最終校正の段階で、沖縄戦の「集団自決」の解説に、軍人からの指示や命令などが住民の意思決定を左右したとする記述があり、委員会内で変更を求める意見が出た。このほか、艦砲射撃の説明に事実誤認が指摘されるなど、修正に時間が取られ、準備が大幅に遅れた。このため、一部の関係者は「細心の注意が払われるべき解説の文章が練られておらず、あまりにずさん。当時の実物資料も不足している」と批判している。

 平川南館長の話「膨大な情報量を処理するので、ぎりぎりまで慎重に細部を詰めて公開したい。不備を前提とするわけではないが、公開後も改善すべき点があれば改善する」

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