362.褐色の花嫁.27 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
さて、結婚するとなればジョイの家に挨拶に行かなければならないとホテルを出ました、タクシーで僅か10分で下車、オンボロ長屋が立ち並ぶ細い路地を入って行きます。


路地にはそこに住む人たちが椅子に座り、世間話に花を咲かせています「オー、カモられに馬鹿な日本人が来たよ」そんな会話でもしているのか、その横を過ぎて行くワタクシとジョイ、この地区の人も貧しいのは貧しいのでしょうが、ボロ屋ながらほとんどの人が持ち家なのですが隣と隣がこんなに密接していては建て替えることすら不可能でしょう。


幸いケソンシティの中心から車で10分足らずの立地条件であわよくば将来コンドミニアム建設でも計画されればいい値段で売れるかもしれないなと勝手に想像するワタクシでした、路地を3回ほど曲がり着いたジョイの家はやはりボロ家でした、家ではミニサリサリストアーをやっており中に入るとパソコンが3台置いてあり近所の子供たちゲームをやっていました、一時間何ペソかでやらせていたのでしょうか、ジョイがタレント時代やドバイに行った時、ワタクシの送金したお金で維持しているようです。


ワタクシはこれを一目見て「これは駄目だろう」と直ぐ思いました、何しろ路地に入ってすぐ近くに同じような店が3.4軒もありライバル多すぎです、それに話を聞いているうちに1日の売り上げや仕入れ金額をノートに付けていない、パソコンの電気代やメンテナンス代はいくらかなどを全く把握していないのです。


試しにジョイと一緒に10メートル先の同じような店にいくとそこも同じように全く把握してないのです、結局もう一軒いってみて解ったのは皆利益を出していないのにも関わらず日銭がほんの少し入るだけでやっているのです、いや利益が出ないどころかやればやるだけ赤字が膨らむのに気づいていないのですから驚きです。


いやいや、実はそうではなくフィリピン人の貧しい人は簡単な経営学を詳しく習っていないのですから致し方ない事なのです、店を実質的に経営している母親を挨拶そこそこにミニ講義を始めるものの理解させるのは容易ではありません、この国では英語は一緒懸命覚えさせようとします、従って日本より英語は得意な人は多い、しかし、数学や他の科目は疎い人が多いのです。


教育と言うのは実に難しいものです、この国で英語プラス数学プラスもう1つ身に付くものを習えばもっと優れた人材が増え国力は強くなり貧しさから脱する人が増えて来るのではないか、ワタクシはこの国の人々の持つたくましい生命力にはその力は有るのではないかと思っているのです。


家に行ったワタクシにジョイの母親は好物という事でシニガンを出してくれました、しかし、ジョイの父親も兄も出て来ません、何のお土産も持って来ていないワタクシは大歓迎は期待してなかったのですが、恥ずかしいのか、それとも、興味が無いのか自分の「娘の旦那になる男なのに」とワタクシは呟くだけでした。


ワタクシがタイに行くときもフィリピンに行くときもお土産を余り持っていかないのは、貧しい家庭には現金が一番だからと思っているからなのです、帰る時は空港で払う料金と日本の空港から家までの交通費を残す意外は全部渡して帰るのがワタクシのスタイルだったのですが、次回の渡比はお土産持参は必至となるのでしょう。


3時間ほど滞在しましたが、後で出直す事で一時ホテルに戻ります、モールで食事をしシャワーを浴びて一服していると、トントンとノックの音がします、開けてみるとフィリピーナが4人そして小さな子供が1人立っていました、ジョイの従姉に兄嫁、隣に住む幼なじみ、そしてジョイの子供のリィアンだったのでした。


次回に続きます、いつもご覧いただきまして心より御礼申し上げます。