359.褐色の花嫁.24 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
飛行機の窓からフィリピンの島々の上に建ち並ぶ家やビルが見えてきて「やっと帰って来たんだ」の思いが膨らみました、機上から見えるビルの相変わらずの少なさに変わってないフィリピンを想像していました、そして飛行機は地上に降り、飛行機のドアが空き歓迎口に向かうも空港も8年前のプレハブのイメージがある懐かしい空港と何の変わりもなかったのです。


空港の歓迎口を出ましたが約束した女性の姿が見えません、「ひょっとしたら」とワタクシは嫌な予感に見舞われました、忘れもしない9年前、フィリピンに来た時3時間待たされた記憶が蘇ります、「まさか今回は」と思うものの不安が拭えないワタクシです、成田空港でレンタルしたフィリピンで使える携帯電話を取り出したものの直ぐには使えないようなのでした。

当然、いつものようにリュクサックとマルボロが4カートン入った紙袋だけしかないワタクシは一番に歓迎口に出たのですが、後から荷物を持った日本人や帰国したフィリピン人たちが目の前を次から次にワタクシの横を通りすぎて行くのでした、2時間半後残っていた人にも向かいが来てついにワタクシ一人になってしまいました、さてここで動き出すのがバロンを着た空港関係者風の男たちなのです、見かねた振りしてチィップを稼ごうとワタクシにターゲット絞っていたのです。


待ちくたびれたワタクシの処にイソイソとやって来て「オニイサン コナイノ ムカエ?」と声を掛けてくる、「いいから、いいから」と追っ払っても何度もやって来ます、しかし、流石に3時間も過ぎてからはワタクシもこの男の話に乗る事になってしまいました、この男に同じ空港内の受付の女性のところに一緒に行き100ペソ払って携帯電話を借りやっと連絡が取れたのです、結局待っていたターミナル違うという事で男と話しながらタバコを吸って来るのを待っていると、「アノコ?」と男が指をさしてワタクシに聞きます、なんとなく背格好が似ていますが着ている物がハデハデで、おまけにスマートです、ワタクシと男が元気よく手を振るのですがスンナリ通りすぎてしまいました、「あららー、違うのね~、ハハハハハ」と乗りのいい男と二人笑いながらハイタッチする間抜けのワタクシ。


そして、待ち時間がいよいよ4時間を過ぎようとした時にやっと現れた2人連れの女性、その内のやや太った女性それは紛れもなく8年振りに会うレイアだったのでした。


ワタクシ「何やってるの、遅いんだよ~、レイア!!」


レイア「オー、ターミナル、マチガエシタ、ゴメンネ」
しかし、ターミナルを間違えただけでなく時間を2時間間違えていたのです、メールでターミナルも到着時間も伝えているのに、しかも8年振りにやって来たというのに、いやいや8年間待たされたからその仕返しなのかと思ったワタクシ、以前のワタクシなら怒鳴り付けたかもしれませんが、この頃は多少気が長くなったのか何でも楽しむように心がけていたのと久しぶりにレイアの顔を見たのでアッサリ許してしまいます。


ワタクシ「まあ、いいか、で、隣にいるトンカツ、いやアテは誰かな?」

レイア「ワタシノ イトコヨ、バハイガ トナリ」
この隣に住んでいる従姉は昔タレントだったらしいのですが、ワタクシから見ると客が全く付かなかったのが間違いないような女性だったのでした、やっと落ち合えたワタクシたち空港で両替を済ませワタクシに付き合った男に1000円やりレイアの家族のいるケソンシティにタクシーで向かうのでした。


そしてケソンシティでワタクシは一つの決心をする事になるのです。



次回に続きます、いつもご覧いただきまして心より御礼申し上げます。