356.褐色の花嫁.21 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
東京地方裁判所に到着したワタクシ、弁護士の先生と待ち合わせをしていたが、まだ来ていないので喫煙所で一服です。



しかし、ワタクシは「こんなんでいいのかな」と少し不安になっていました、今日はワタクシと江川さんがお互いの弁護士から質問を受けるのですが、事前に弁護士さんとは打ち合わせなし、「江川さんに質問する事を考えておいてくれ」と言われ唖然としました、「相手が聞かれたらまずいと思う事を読み取り質問するのが弁護士の腕だろう」と思っていたワタクシは「こんな物なの?」と思いながらもやってきた先生と話をしていると、携帯に着信が、桐田のオヤジです。


ワタクシ側の証人として呼んだのです、桐田のオヤジは浅草の事務所にワタクシと同居していたので江川さんが毎日ワタクシをフィリピンパブに誘いに来た事、江川さんが借入金をして株式取引を始めた事を知っているのです、もちろん江川さんとも面識があります、桐田のオヤジは駐車場にいると言うので待ち合わせ場所に呼びワタクシたちは3人は裁判を行う部屋に向かいました。


裁判を行う部屋の前でバッタリと江川さんとその弁護士に出会くわしました、10数年ぶりの再会です「久しぶりー」と江川さんは声をかけてきましたがワタクシは無視しました、そして部屋に入り指定された席に着きます、テレビでよく見る裁判官たちの雛壇の席、傍聴席、そして証人席、その時ワタクシは意外なほど落ち着いていました。


裁判官が入って来てワタクシと江川さんが相互に嘘をつかないと宣誓して始まりました、しかし、向こうの弁護士もワタクシに大した質問をしません、
江川さんの弁護士「江川さんが借用書をファミリーレストランで大声を出しながら書かせたと言うが他の人もいただろうから大声を出せないのではないか」


ワタクシ「当時、ファミリー用に個室があり、そこで書かされたんですよ、そこなら大声でも聞こえませんからね」
ワタクシは江川さんの弁護士は手詰まりに思えました、下手な質問をするとワタクシに本当の事を言わせる事になるので敢えて質問の内容を押さえているような、そんな感じなのでしょうか、続いてワタクシの弁護士が江川さんに質問します。


ワタクシ側の弁護士「株式取引は二人で同意してやったんですよね」


江川さん「いえ、違います、私がレイスリーさんに貸したお金です」


弁護士「よく、そんなお金を持ってましたね」


江川さん「ええ、たまたま持ってたんですよ」


弁護士「レイスリーさんに貸したお金は何で5回に分けて貸したんですか?」


江川さん「いやー、古い話なんで忘れました」


弁護士「じゃあ、返済の際の条件はどうなってたんですか?普通は毎月何日に幾ら返すと取り決めするでしょう」


江川さん「さ、さあ、それも古い話なんで忘れてしまいました」
江川さんは都合の悪い話は「覚えてない、忘れた」を繰り返しました、そして証人の桐田のオヤジ、
桐田オヤジ「いつも江川さんはレイスリーさんに電話して来て二人で毎日フィリピンパブに出掛けていきましたよ、株式取引も二人でやってたと思いますよ、前は仲良かったのにこんなになっちゃうなんてねー」
そして再びワタクシと江川さんをお互いの弁護士が交互に質問していきました、江川さんの時になるとボロを出すまいと「古い話だから、覚えてない」の連発です。


しかし、余りにも連発し過ぎたのか、この部屋の中にいる人たちが明らかにこれは江川さんが惚けているなという空気をワタクシは感じとっていた、もちろん、それはワタクシの勘違いだったかもしれないが、そして裁判官が江川さん尋ねた、それはワタクシに好意的な内容に聞こえたのだった。



次回に続きます、いつもご訪問いただきまして心より感謝致します。