『ニューヨーク1954』 デイヴィッド・C・テイラー | 固ゆで卵で行こう!

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ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV) ニューヨーク1954 (ハヤカワ文庫NV)
デイヴィッド・C・テイラー 鈴木 恵

早川書房 2017-12-19
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ブロードイェイを渡り歩くダンサーが自宅の安アパートで殺される。

何者かに拷問されたらしき形跡と、安アパートに似つかわしくない高級家具に不審を抱き捜査を行うN.Y市警のキャシディだが、FBIからの横槍が入り捜査にストップがかかる。

反発するキャシディは捜査を続行するのだが・・・。

 

 

赤狩りの嵐が吹き荒れる1950年代のアメリカを舞台にしたハードボイルドでありノワール小説。

 

N.Y市警のキャシディは、ある男性ダンサーの殺人事件の捜査にあたるものの、FBIの横槍が入ったかと思うと、更にCIAやKGBなどの諜報機関の影が見え隠れしてきます。

 

自身の正義を貫こうとするキャシディは自分自身が巻いた種もありますが、自身の家族にまで危機が及ぶ中で、決して正しいやり方ではなくとも権力に立ち向かおうおとする姿に惹き込まれます。

 

その姿は、母親の死に隠された真実などが明らかにされ、より印象的なものとして映ります。

 

また、人々が時代の流れの中で感じる不安や恐怖感、そしてひとつひとつの場面の雰囲気がよく出ており、各々の情景が浮かぶような古き良きハードボイルドのスタイルが読んでて心地良かったですね。

 

続編もあるとの事で楽しみです。