2017年3月の読書メーター、まとめ。 | 固ゆで卵で行こう!

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ハードボイルド・冒険小説をメインにした読書の日々。


時に映画やRockな日々。またDragonsを応援する日々。そして珈琲とスイーツな日々。

3月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:2183
ナイス数:289

戦始末 戦始末感想
負け戦で殿軍をつとめる事になった武将たちの姿を描く短編集。時間軸に沿って秀吉を軸に描かれるのは、死と向き合う時のそれぞれの心情。生きて先を見据えようとする者もいれば、死そのものを望むかのような者。その姿はやはり死というよりはどう生きてきたかを見せてくれるよう。秀吉のコミカルな姿を見せる「禿鼠の股座」から、熱すぎる戦いを見せる高橋紹運の「孤軍」や、関ヶ原での島津義弘の家康の陣中突破を描く「丸に十文字」など、どれも読み応えありました。
読了日:03月28日 著者:矢野 隆
ビター・ブラッド ビター・ブラッド感想
以前放映されてたドラマを観てたので気になってました。読んでみるとドラマとは内容は全く違うのにびっくり。親子で捜査する様子はあまり無いので、夏樹の父への確執やそれが解けていく様子がそれほど強くは感じさせないのがちょっと残念。刑事ものとしてコミカルな部分もあって読みやすいけど、新米刑事に夏樹の単独捜査する様子はリアリティに欠けるかな。
読了日:03月23日 著者:雫井 脩介
魔界都市ブルース 霧幻の章 (ノン・ノベル) 魔界都市ブルース 霧幻の章 (ノン・ノベル)感想
短編集のせつらの物語には、哀愁が詰まっているのが特徴で、その中にコミカルなものがあったりして好きなんですが、こうまで「わたし」が出なくなってくると物足りないと思ってしまうのも事実。新宿そのものである〈せつら〉その人が印象に残る場面が欲しいところです。
読了日:03月19日 著者:菊地秀行
マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ) マカロンはマカロン (創元クライム・クラブ)感想
〈ビストロ・パ・マル 〉シリーズ3作目。今回はまたギャルソンの高築君の視点での物語に統一されているのが落ち着きます(笑)。しかし今回は胸がざわつくような読後感の物語が多かった印象。その中で最初に収められていた「コウノトリが運ぶもの」は切ないながらもポッと胸に灯がともるようで、思わず涙が。三舟シェフの優れた洞察力と美味しい料理をまた楽しみたいので4作目も待ってます!
読了日:03月14日 著者:近藤 史恵
タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ) タルト・タタンの夢 (創元クライム・クラブ)感想
シリーズ二作目と三作目を借りてきたので、一作目も借りてきての再読。以前も思ったはずだが、妻の言葉を聞き流してしまっているお話は身につまされます(笑)。
読了日:03月13日 著者:近藤 史恵
ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ) ヴァン・ショーをあなたに (創元クライム・クラブ)感想
〈ビストロ・パ・マル〉シリーズ2作目。1作目を読んだのが随分前だったけど、三舟シェフの名推理と美味しそうな料理、そして最後のヴァン・ショーに酔いしれるように読了。今回は途中の物語から視点が変わってびっくり。そしてソムリエの金子さんの俳句が無かったのはちょっと残念。しかし前作同様、ちょっと胸が痛くなるようなものだったり、ほんのり胸が温かくなるような物語はとても心地よいですね。
読了日:03月13日 著者:近藤 史恵
木足(もくそく)の猿 木足(もくそく)の猿感想
義足で居合切りの達人である奥井が、罪を犯したとはいえ命の恩人である親友の水口の復讐の為に17年間、仇を追っていたその胸のうちを、英国人連続殺人事件を通して明治初期の移りゆく時代の中で描いているのですが、ラストシーンが良かっただけに、もう少し奥井の胸に巣食っている亡き友やこの時代への想いといったものの熱さや虚しさが感じ取れるような描写が欲しかったですね。
読了日:03月12日 著者:戸南 浩平
ヒポクラテスの憂鬱 ヒポクラテスの憂鬱感想
シリーズ二作目。光先教授の舌鋒もメスさばきは勿論健在ですが、法医学の道に進んだ真琴が法医学に対する自覚や覚悟を見せはじめる様子が印象的でした。また、真琴も県警の小手川も相手の事を認めるうちに芽生え始める感情の様子も微笑ましかったです。物語は〈コレクター〉と名乗る人物が解剖されなかった死体の裏にあると示唆する事件に翻弄されるように、真琴たちは解剖に明け暮れる事になりますが、〈コレクター〉が誰かというのは早々に察する事ができるものの、その動機は最後になって明かされる連作短編集。シリーズ3作目も期待してます!
読了日:03月02日 著者:中山七里

読書メーター


3月は8冊読了。


もうちょい読めるかと思ったんですが、体調崩した期間もあったり仕事もちょっと忙しかったりもあるけど、再読した作品も含めての国内作品しか読んでないわりには読めなかったなぁ。


さて、その中で印象に残ったのは最後に読んだ矢野隆の「戦始末」。

負け戦のしんがりを務める武将をテーマにした短編集ですが、これをきっかけにまた戦国武将ものを読みたくなりました。



それにしてもこの1ヵ月、海外作品を読んでない事に自分でもびっくりです。

この数年でこんなこと無かったと思います。

4月は積読になってる海外作品を読まないと!