『ガール・セブン』 ハンナ・ジェイミスン | 固ゆで卵で行こう!

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ガール・セヴン (文春文庫) ガール・セヴン (文春文庫)
ハンナ ジェイミスン Hanna Jameson

文藝春秋 2016-08-04
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通称セブンと呼ばれる日系の21歳の石田清美は何者かに家族を惨殺され、ロンドンのあるクラブでいつか日本に帰る事を夢見て働いていた。

そこにある男がセブンの前に現れ、自分は殺し屋でセブンの家族を殺した者を探そうという申し出をしてくる。

申し出を受けようと決めたセブンだが、今度はロシアの組織からクラブのオーナーの事を調べるよう依頼が。

日本に帰るためにその依頼を受けるセブンだったが・・・。




読みやすいライトなノワールって感じでしょうか。


ストーリー展開も登場人物の描き方も粗くて薄く感じます。


また、途中のセブンの独白部分は物語の疾走感を削るなど欠点の方が目立ちます。


何より主人公のセブンが殺された両親と妹の復讐をしたいと駆り立てるものがあまり伝わってこず、自分が陥った状態に自分で自分を縛りつけてしまう様子にも感情移入し難いものがありました。


それでも青春時代に一緒に過ごした聖子のもとに帰ろうとする姿。

生き残る事や、自分自身を自身の価値観で安売りしない様子などは光るものがあったので、続編が出ればとりあえず読んでみようかなと思います。