『ヒプノスの回廊―グイン・サーガ外伝〈22〉』 栗本薫 | 固ゆで卵で行こう!

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ヒプノスの回廊―グイン・サーガ外伝〈22〉 (ハヤカワ文庫JA) ヒプノスの回廊―グイン・サーガ外伝〈22〉 (ハヤカワ文庫JA)
栗本 薫

早川書房 2011-02
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「グイン・サーガ」最後のオリジナル作品となる外伝22巻です。


この外伝にはこれまでシリーズとして刊行されてきた中で未収録のものが集められています。


中でも賛否両論の表題作「ヒプノスの回廊」は必読。


グインその人の正体、アウラ・カーやランドックの正体が明らかにされるのです!


実際にはグインが夢の中での体験が描かれるているので、実際にどこまでが真実なのかは曖昧にしてはるのですが、こうやって栗本さんが描いていたという事は真実に近いものであったのかな、なんて推察もされます。


栗本さんが見ていたグインの世界の未来・・・見届けたかったです。。。



さて、その他の作品も興味深かったですねぇ。


中でもシリーズのファンとしてはトーラスの煙とパイプ亭での一夜の出来事なんかは感慨深いものがあり、思わず目頭が熱くなってしまったなんて方もいるんじゃないでしょうか。

もしかしたらここで登場する双子がいつか遠い未来にグインと出会って・・・なんても想像してしまいます。



また、その他にも書かれた時期がバラバラという事もあって、栗本さんらしさが一冊に凝縮された短編集になっているんじゃないでしょうか。


妖しく退廃的。哀切感漂うものからハートウォーミングなもの。SFからファンタジーにミステリといった、栗本の多面性がこの一冊で十二分に楽しめる最後の栗本さんの作品。

しっかりと堪能させてもらいました。



さて、「グイン」の世界は「グイン・サーガ・ワールド」として他の作家さんが紡いでいかれます。


その中には「こんなのグインじゃない」と思うようなものもあるかも知れないですが、栗本さんが作られたグイン・ワールドの枝サーガ、楽しみにしたいと思います。




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