森へ消えた男 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ト 6-1)
ポール・ドイロン 山中 朝晶 早川書房 2010-10-08 売り上げランキング : 42721 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
メイン州の新米猟区管理官のマイクがある夜仕事から帰ると、疎遠だった父の声が留守番電話に残されていた。
そして翌朝マイクは父が殺人の容疑者として逮捕された事を知る。
密猟や軽犯罪は犯していても殺人などはしないと信じるマイクは、父が拘留される地まで向かうのだが、そこで父は護送中に逃亡した事を知る。
マイクは父の無実を信じて調査しようとするのだが・・・。
主人公の若き猟区管理官の成長を描いたサスペンスなんだけど、サスペンスとしては物足りなく、成長ものとしても主人公に感情移入しにくかった点があり物足りなかったかも。
父を無条件で信じるマイクの愛憎交じりに父への想いというのは理解し難い部分があり、いい思い出が殆どない父との少年時代に、それでも父を信じるんだというような強い印象を残すエピソードが欲しかったかも。
また、マイクの別れた恋人サムなども物語上で必要性を感じず、また、思わせぶりに登場する刑事たちを含め、殆ど活躍を見せない登場人物が多い中、引退した元猟区管理官のチャーリーが最もいい味を出していたのが印象的でした。表紙もチャーリーのスーパーカブだし(笑)。
さて、事件そのものも主人公の活躍が目立たないまま終盤を迎えてしまうのですが、そこで明らかになる真実自体はなかなか意外性があって面白かったです。
巻末の解説によるとマイクを主人公にしたシリーズ三部作になる予定という事で、主人公の成長ぶりをどのように描くか、完結して初めて本書を含めて評価できるかも知れないですね。
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