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一瞬の風になれ 第三部 -ドン- (講談社文庫)
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「一瞬の風になれ」、完結編となる第三部。
最後の学年を迎え部長となった信二は、短距離走と400mリレーでインターハイ出場を目指します。
"問題児”でもある新入生を迎え、チームとしての和と勝負へのこだわりの狭間で悩んだりしながらも、「一本、一本、走るだけ。全力で」という信条を貫くその姿に、思わず大きく感情移入させられ、一緒になってトラックを走り、そしてバトンを受け渡しているかのような錯覚さえ覚えます。
そして、「このバトンはずっと前の世代から渡されてきたもの」という言葉が象徴するように、熱い想いが溢れ出んばかりで、読んでいるこちらまで心震わせ、そして涙が溢れそうになりました。
兄の健一や、相思相愛っぽい谷口との仲はその後どうなったのか、そして何よりインターハイでの信二たちの事など気になる要素はいっぱい残したままで、それだけに、もっともっと信二たちと走っていたいと思わせるラストは、未来への可能性を感じさせつつ、爽快感もあって心地良かったです。
また、ゴールはまだ見えないながらも、自分自身の走る道という可能性を見い出した信二が羨ましくも思え、もう一度、どのような形であれ青春時代を取り戻したいと思わされもしました。。。


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