國體護持 第六章 第二節 (方向貿易理論)-2 | らすログ☆

國體護持 第六章 第二節 (方向貿易理論)-2

はじめに・らすかる☆より  http://ameblo.jp/rascal-amb/entry-10277101543.html

目次・例言 http://ameblo.jp/rascal-amb/entry-10277160853.html

(方向貿易理論)-1 http://ameblo.jp/rascal-amb/entry-10290129292.html



第六章 萬葉一統

 第二節 自立再生論
  (方向貿易理論)-2



 このやうに歴史の經(経)緯から學(学)べば、自給自足體(体)制を確立することが國(国)家と世界の安定と安全を實(実)現することであり、それは、全世界の各地域の多樣(様)傳(伝)統と文化の再生と復權(権)を目的とする世界思想であつて、單(単)なる懷古趣味や復古主義としての「新鎖主義」ではないことが解る。


 これは、極度の民族主義や國(国)家主義の實(実)現のための「手段や目的としての鎖」ではなく、「結果としての鎖」を意味してゐる。これからは、「將來(将来)において貿易をなくす目的のために、その手段として貿易を繼續(継続)する。」といふ方向について世界的な合意がされるべきである。


 この思想には、これまでの思想とは異なる性質がある。前に述べた「世界思想」の構造を見ても解るとほり、一般に、何らかの政治、經濟(経済)的な變(変)革を求める思想には、その確立された一定の具體(体)的な内容があつた。それは目的と手段を示し、それに至る課程を説明するものである。第一章で示した、V字型世界思想構造のとほりである。ところが、「將來(将来)において貿易をなくす目的のために、その手段として貿易を繼續(継続)する。」といふ理論は、いはば「方向」のみを提示し、それによつて到達しうる目的や理想世界を示さない。いはば、これまでの世界思想(理論)が「スカラー(状態量)」の思想(理論)であるのに對(対)し、この理論は「ベクトル(方向量)」の思想(理論)である。そして、この理論を「方向貿易理論」と名付けるとすれば、この理論の利點(点)は二つある。


 一つは、到達點(点)を示すことはその價(価)觀(観)を示すことになり、それが今までの思想對(対)立の主な原因であつたが、この理論ではその問題が少ないといふである。


 二つめは、この理論は、反グローバル化運動や新保護主義、そして、後で述べる「自立再生論」とに共通した手段としての理論であり、これと矛盾しない樣(様)々な思想や理論と連携しうるといふ點(点)である。


 そして、なによりもこの「方向貿易理論」の背景には、自己保存本能、自己防衞本能による世界の國(国)家のすべてが有する「自衞權(権)」が存在し、それは、家の自己保存本能と事故防衞本能、そして世界秩序維持本能、世界秩序防衞本能に基礎付けられてゐるといふことの認識が重要なのである。それは、「宗教」といふスカラー的なものであれば對(対)立を深めるが、「祭祀」といふベクトル的なものであれば融合して行くのと同じであり、ここにも雛形構造が認識できるのである。


 では、これから、方向貿易理論想を共通項として取り入れた私見である「自立再生論」について説明する前に、初めに、結論を云へば、方向貿易理論は、本能の指令によるものであるから、その方向を進めば、その必然的歸(帰)結として「自立再生論」と到達することになるといふことである。つまり、これは、我が國(国)國體(体)であり、それが、すべての家に共通する本能の指令による結であつて、世界の國體であるといふことであり、反グローバル化運動も新保護主義なども、すべてこれに收斂(しゅうれん・集約)されることになる。



(方向貿易理論)-3 http://ameblo.jp/rascal-amb/entry-10290140659.html