即断即決のワナ | 野心家サラリーマンの昇給・昇進スキルアップ講座

即断即決のワナ

こんにちは、イナミネです。

テレビや映画で見る、かっこいいリーダーというのが出てきます。

「踊る大走査線」やSMAPの木村拓哉が演じるような。

てきぱき仕事をこなし、ピンチやチャンスを見逃さず「よし、やろう」と結論を出します。

かっこいい。

でも、この即断即決、真似るべきでしょうか?

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物事を決める場合、次のような順序で行います。

1)選択肢を洗い出します。

2)選択肢のメリット・デメリットを検討する

3)情報をある程度そろえて、どの選択肢とするか判断する。

判断する場合にはもちろん、基準が必要です。

案件が、前向きの施策の場合には、

・メリットが多い、デメリットが少ない

・デメリットがあっても、手立てを講じて、減らすことができる。

などが判断基準。

トラブル対策のような後ろ向きなケースでは、上記に加えて

・ダメージや費用・信用などのロスが少ない

が判断基準となります。

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即断即決では、上記の決断までのプロセスに十分な時間がかけられなくなります。

たとえば、

・選択肢が十分出し切れない

・メリットの数、深さ、程度などを検討できない

・デメリットも、数、深さ、程度などを検討できない。

・選択肢を行う場合の、実際の手順や段取りの検討が甘くなる。

・または、実務に通じている担当者の意見や、こちらでは気付いていなかった関係者の実情などの意見が十分聴取できない。

というようなマイナスを生みます。

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知っておいて欲しいのは、

「今決めてください」といわれても、本当にすぐ決めなければならないケースは意外に少ない

ということ。

締め切りをまったく延ばせない場面は、実はそんなにない。

よくあるケースですが、

売り込みされて、「今決めてください」といわれても、実際は今決めなくても困らない。

少し伸ばしたところで、値段も納期も同じ条件が得られるはずです。

これは、営業経験者なら、内実を良くご存知のはず。

また、
部下や同僚がせかしてきても、鵜呑みにしない。

状況をよくよく把握すれば、少しくらいの猶予はあるはずです。

せかされて、冷静さを失って、アガった状態での判断は、

あとでその事後処理に手間と時間がかかり、信用を失います。

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ある選択肢をとる、という決断をしたときのいろんな要素を検討する。

金銭的なメリット・デメリット

信用などのメリット・デメリット

デメリットの低減策があるか、ないか

選択肢が出てきた背景はなにか

決断を迫られても、一度引き取って、それらをチェックした後に、冷静になって、決断をしましょう。

結論を先延ばしするのではなく、検討をする時間を確保して正しい結論を出す。

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即断・即決はかっこいいが、危険なものです。

冷静さを失って結論を出すと、後が怖い。

一方で、いつも結論を迫られているのは、仕事のやり方が悪い可能性があります。

重要だけど、急がない仕事をきちんとこなしていれば、急な結論を迫られることは減っていきます。

ただし、判断のスピードが問われる時代であるのも確か。

判断できない人物、とおもわれないよう判断基準や手順を自分で持っておきましょう。


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