蘭子さんが総監督を務めるマレーシア国立芸術文化遺産大学(ASWARA)のオペラ公演も今年で5年目。今回も日本から洗足学園音楽大学などの学生達や、指揮者、コルペティ、二期会/藤原の歌手達、総勢18名がマレーシア入りして、マレーシアの音大生達と日馬合同オペラが製作/上演されました。
演目は、蘭子さんと交流の長い、マレーシアの現代音楽作曲家 Razak Abdul Aziz氏の連作歌曲集『10 Pantun Settings』と、日本の作曲家、白石茂浩先生の新作オペラ『おはよう CINTA』という組合せ。どちらもマレーシアの学生達自身の演出による、一からの手作りオペラです。
『10 Pantun Setting』は、マレーシアの子供歌をモティーフに、マレーシアの原風景を描く作品ということから、マレーシアの学生がマレーシアの農村風景を描くオリジナル演出を加えての世界初演。
『おはよう CINTA』はオペラそのものが世界初演!昨年の日馬合同オペラ『フィガロの結婚』上演に参加してくださった日本の大学生の方が、その経験を元にオリジナル台本を書きあげ、団伊玖磨先生の愛弟子である作曲家 白石茂浩先生が、このオペラ公演の為に作曲してくださったオリジナルオペラです。『おはよう CINTA』("CINTA"はマレー語で"Love")と題され、マレーシア語、英語、日本語が入り混じったこの作品で、マレーシアの学生の演出により、マレーシアと日本の国際交流の中での若者達の初々しい恋を描きます。
指揮は日本でも注目を集めている新進気鋭の指揮者、 坂入健司郎マエストロ。坂入マエストロの情熱的かつ的確な指揮と、出演の日本/マレーシアの学生達の素晴らしい集中力と演技で、2日間の公演は大成功となりました。稽古、本番を通じて、今年も日本とマレーシアの学生達の間に深い絆が結ばれ、公演の成功だけでなく素晴らしい国際交流となったことが嬉しいと、とても嬉しそうな蘭子さんでした。
『10 Pantun Settings』
マウダ(お婆さん)を歌い演じる蘭子さん
『おはようCINTA』
千秋楽公演後の集合写真
(Photo courtesy of Manabu Jinzenji)
ASWARA音楽学部長 Ramlam Imam氏を中心に
洗足学園音楽大学の須永尚子先生(左端)
坂入健司郎マエストロ(右端)
作曲家 Razak Abdul Aziz氏(右から二人目)