- 著者: パトリシア・コーンウェル, 相原 真理子
- タイトル: 痕跡 (上)
有名なパトリシア・コーンウェルの検屍官シリーズの最新刊。
このシリーズ、途中までは夢中で読んでいたのだけど、途中から話があまりに陰惨になり、ちょっと遠ざかっていた。
なんと言えばいいのか、最初の頃の謎解きの楽しさはほとんど消え、無理矢理凄惨な事件を起こしている感じさえ受けていた。
それにこのシリーズ、主人公のケイの老いが早い。年を取らなかったり、実際の年月に比べるとゆったりと時間が流れるシリーズも多い中、小説の方がどんどん時間が経ってしまう。ケイだけでなく、成長した姪のルーシーはとても危うい。
と、ちょっと読むのがしんどい展開になっていたのだ。
ところがこの日書いた料理で読むミステリーを読んでいたら、再び読みたくなってきた。確かに、ケイはよく料理するんだよね。それもえらく凝っていて、この本で紹介されていたピザを生地から作って専用の釜で焼くとか、庭にバーベキューの設備(?)があるとか…。日本ではちょっと考えられないけど。
この本で紹介されていたのは業火のスープ。これがまた酷い話で、スープの登場シーンは登場人物が本当に打ちのめされていた時なので、その温かそうなイメージとともに印象に残っている。
確かこれを最後に読まなくなったのだ。
でも、乗りかかった舟というか、行く末も気になるし、やっぱり続きを読んでみようと思うのでした。