イギリスのチャーチルさんでしたか、「民主主義とは最悪の政治形態」とおっしゃったのは・・・
違ってたらゴメンナサイね。
考え出すといろんな含蓄がある言葉ですね。
この彼の言葉をどう解釈するかはあなたにお任せするとして。
さて、
今、世界で起こっていること。
ユーロとドルのとめどのない下落。
いずれ円でも起こる可能性は極めて高い。
導火線は国家財政の危機なんですよね。
国家の成員である各国民や各企業に対する信用不安ではありません。
あくまで国家の懐具合に信用が置けない、と誰もが思っているわけです。
誰もがです。
破産しかかっている人に、担保もなしに誰が命より大事(?)なお金を貸しますか?ってことなんです。
こんな状態になると銀行をはじめとするまともな金融機関はお金を貸してくれません。
これは、日本のサラ金問題を見ても明らかで、
お金を貸してくれそうなところは高利貸ししかいないわけです。
で、国の借金は高金利となり、借金を返すためにまた借金、自転車操業となります。
行き着く先は、債務不履行いわゆるデフォールトで、借金の証文は紙くずとなります。
高利貸しは困ります。
でも、借金した方はもっと困ります。
これからは誰もお金を貸してくれません。
お金の循環がストップしちゃいますと、連鎖倒産の危機がやってきます。
世の中は不景気一色です。
自国に世界の物資が入ってきませんから超インフレです。
信用不安の元凶が国家財政の危機なら、
国家財政を立て直せばいいわけですが、これがね、なかなか・・・
どんな国家も自国内の国民や企業に強大な権利を持っています。
その権利こそが国家としての体をなす根幹なんですね。
徴税権ですが、これは主権国家なら当たり前の話です。
国家の歳出をまかなうために歳入を計る、それは具体的には税金です。
でも誰だって命より大事(?)なお金を税金で取られることには反対しますよね。
あ~それ~なのに、それなのに♪
出ていくお金はどんどん増える!
今の日本を見ているとよくわかります。
社会保障費や国債の償還で歳出は膨らむ一方なのに、増税はしていません。
増税をすると言うと選挙で負けてしまう。
政党の党首が増税しようとしても、落選を恐れる自党員の反対に合うし、野党は大攻勢に出る。
それよりも選挙に勝利することこそ目前の大命題ですからね。
誰も増税なんか言わなくなる。
これが積年の平和主義的、民主主義的な世界政治が漂流した帰結です。
民主主義なんてだれも責任をとらないし、責任を分散させるシステムですから。
お役所の稟議書のハンコが典型です。
つまらないことを決めるのに何人もがハンコを押す。
だれが責任を取るのか、決して誰にもわからないシステム。
増税の話が出ると、
世の評論家諸氏が口角泡を飛ばしてのたまうことには、
・今増税するのは最悪のタイミング
・景気が落ち込んで税収を減らしてしまう
・政府支出の無駄を省けばよい
・財務省の陰謀だ
まだありますかね?
今までも不景気下での財政政策、金融政策の過ちはありました。
でももう一度やってみる価値はあると思うのですけど。
無策無責任にこのまま漂流すれば、世界中デフォールトの嵐です。
増税し財政支出を切り詰めて財政規律を正すことが、
それほど危険なこととは思われません。
このままでいけばユーロとドルのとめどのない下落に続いて円も同じ運命になるでしょう。
円に流れ込んだ資金の行き場がないから円は相対的に強いふりをしているだけで、
市場は冷徹かつクレバーですから、いずれ円も売られます。
ユーロもドルも、円よりは足腰が強いですよ。
この前提となるのは、「日本には世界に友達がいない」という事実。
嫌っている人は大勢なのにね。
唯一、例外なのがアメリカと言うことになっていますが・・・
どこかで見た光景、通貨の切り下げ競争に否応なく全世界が巻き込まれます。
政府が意図しない通貨切り下げが市場で行われるのです。
その結果は、全世界の壊滅です。
ブロック経済化でしょうか? 貿易戦争でしょうか? はたまた?
前門の虎、後門の狼。
無責任な民主主義、愚衆政治のツケが一挙に回ってきたようです。