聖地巡礼~プロローグ~(アトス) | RAKUEN QUES†

聖地巡礼~プロローグ~(アトス)


RAKUEN QUES†-フェリーを待つ人々

フェリーを待つ人々。



アルセニスからまたもや「明日は昨日より天気が悪いらしい」という不吉なメールを受け取ったが、その予言(?)に反して、この日は風も穏やかで天気もまずまずであった。港へ行くと既に大勢の巡礼客たちが、チケットオフィスが開くのを待っていた。中に既に顔見知りになってしまったギリシャ人のおっさんや、ウクライナからの巡礼者たちの姿も見える。お互いこれで3日目ですなあ。今日こそアトスへ行けるといいねえ。


しばらく港のあたりをぷらぷらしながら待っていると、いつの間にかチケットオフィスの前に列ができていた。遅ればせながら私も列の後尾に並んで待つ。数分後職員がチケットオフィスに到着。ついに待ちに待ったチケットの販売が始まった。はあ~、これでようやっとアトスへ行けるわい。まさに三度目の正直ってやつだな。


RAKUEN QUES†-チケット

こんな薄っぺらいチケットを手に入れるために、どれだけの時間を費やしたことか・・・。



無事チケットをゲットして、桟橋でフェリーが来るのを今か今かと待つ。濃紺に染まったエーゲ海を見つめていると、遠く対岸の方からフェリーが近づいて来るのが見えた。フェリーは前半分に車を数台積載できるような、中規模のカーフェリーだった。なんだよ、このぐらいのフェリーだったら一昨日でも昨日でも行けたんじゃないのかよ。と、素人判断の愚痴をこぼしてみたくもなる。なんせこれで3日目だからなー。


RAKUEN QUES†-フェリー

フェリーが来たど~。



フェリーに乗ると最上段のデッキの座席に陣取った。陸にいた時はさほどと思わなかったが、海上は風が強く肌寒かった。しかしせっかくのアトス行きのフェリーだからな。船内からじゃなくて、デッキ上でしっかり景色を眺めたいぞ。


RAKUEN QUES†-さらばウラノポリ

さらばウラノポリ。これからしばらくストイックな生活をおくってきます。



フェリーは大勢の巡礼者や修道士を乗せて、ウラノポリの港を出港した。3日間も滞在するはめになったウラノポリの街が徐々に遠ざかっていく。欲と煩悩に塗れた愛すべき世界がどんどん小さくなっていく。さらば世の女性たちよ、そして新鮮なシーフードと酒よ。これからむさ苦しい男だらけの聖地へ行って参ります。それではまた会う日まで。


RAKUEN QUES†-ギリシャ国旗

ギリシャの国旗は海によく似合う。



強い風に吹かれ、青と白で染め分けられたギリシャ国旗がはためいていた。エーゲ海はエメラルドグリーン、スカイブルー、濃紺と美しいグラデーションに染まっている。見上げれば冬の澄んだ空の下、かもめたちが優雅に群れ飛んでいる。最高のクルーズ日和である。


RAKUEN QUES†-デッキ

デッキの様子。



沿岸部は険しい崖や岩場になっていて、その上部にはこんもりと深い森が広がっている。時折小さな庵が建っているのが見える。そんな厳しい自然を左手に見ながらフェリーは進んでいった。


ここで唐突にアトスについて簡単に説明しておく。アトスはギリシャ東部のハルキディキ半島のエーゲ海に突き出た3本指の内の一番東の岬にあたる。その自然は中世の時代からほぼ手つかずで、峻険な山や断崖、そして深い森で構成されたこの地は一種の秘境となっている。


RAKUEN QUES†-厳しい自然

人を寄せつけないかのような自然。



アトスには20もの修道院が存在し、そこでは約2000人の修道士たちが厳格な規律の下、祈りと瞑想を主体とした修道生活を送っている。ここにはギリシャ正教の修道院だけでなく、ロシアやセルビア、ブルガリアの修道院もあり、アトスは東方正教の一大中心地となっているのだ。


アトスは女人禁制の地である。それはもう徹底していて、動物の雌すら入れないという。元大阪府知事が土俵に上がれなかったことに対して女性差別がどうとか文句をつけるアホは、このアトスにもイチャモンをつけるのかもしれんが、個人的には世界にこういう場所が少しぐらいあってもいいんじゃないかと思う。


RAKUEN QUES†-デッキ02

子供はこんなところに連れてこられていい迷惑じゃないのか?



伝承では聖母マリアが旅の途上嵐に遭いアトスに流れ着いたとき、その美しさに惹かれ自分の土地にしたという。下船したマリアはここにあった異教の偶像を一瞬にして破壊し、この地に祝福を与えたとされているらしい。なんともすごいおばさんだな。サイヤ人か?


ウィキペディアからパクってきた説明文はこのぐらいにしておく。フェリーに乗って1時間を過ぎたころから、沿岸部に巨大な修道院の姿が見えるようになった。フェリーは各修道院に立ち寄りながら先へ進んでいく。


RAKUEN QUES†-ドヒアリウ修道院

ドヒアリウ修道院。


RAKUEN QUES†-クセノフォントス修道院

要塞のようなクセノフォントス修道院。


RAKUEN QUES†-パンテレイモン修道院

たまねぎ型の屋根があからさまにロシア正教会なパンテレイモン修道院。



ウラノポリの港を発って約2時間後、ようやく目指すダフニという港へ到着した。とりあえずここからバスで首都のカリエスという街を目指すことにする。長くなってきたので今回はこのへんでおしまい。
ほいじゃ、また。



にほんブログ村 旅行ブログ 世界一周へ
  ↑ ↑ ↑ ↑

ランキングに参加しますた。1日1クリックプリーズ!!