第30話 一つの約束 (キャプテンだだお) | 超税理士倶楽部

第30話 一つの約束 (キャプテンだだお)

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登場人物紹介

  前田(キャプテン)1974年1月生 東大阪生まれ、東大阪育ち、元ヤンチャな男の子

  木村(カズオ魂 )1974年1月生 姫路生まれ、元SE、この物語の主人公(笑)

  大末(  鯨   )1976年10月生 和歌山県鯨の町育ち、タレント志望


物語の目次です! はじめて方は是非最初から! リンク


仕事終わり深夜に家族が寝静まってから1人リビングで毎日ブログを書いた。

慣れないながらも没頭した。

内容は、税理士の仕事のことがほとんどだった。


当時、会計事務所に働いて10年目をむかえていた。

同世代の友人の税理士たちも数年前から、ちらほらと周りで独立をし始めていた。

私は、心の中で友人たちの独立を自分と重ねていた。


ブログで仕事の思いを書くことで、自分自身の心の整理をしていたのだと今振り返ればそう感じる。自分がどうしたいのか?


1998年春、東大阪の公認会計士事務所に、ある経営者の方の紹介で、就職することができた。


この経営者の方は、私の父親と旧知の中で、京都の会計事務所で挫折して退職した私のことを気にかけて頂き、ご自分の顧問である事務所をご紹介頂いたのだ。


その方は、今までお会いした中で最高の経営者の1人だ。数千人規模の企業グループでありながら、部下に対して横柄な態度をとることは一切なく、それどころか多くの事務方スタッフをすべて姓字だけではなく、名前まで覚えられていた。いつも、お会いした時は、周りのスタッフをはじめ笑い声が絶えなかった。


その方と私は、就職して3年目にある約束をする。

『だいぶプロらしくなってきたね。前田君。でも、この業界10年1人前やからね。御恩奉公も含め10年はここにいなさいよ。その時が楽しみやね。』と笑って仰ったのを昨日のことのように思い出す。


若い時期この業界にもおられ、一流の経営者でもあるその方の目から見て、私の当時の力量を見抜いてのお言葉だったか、いち早く独立を考えていた27歳の若造の心を感じてのお言葉かどうかは分からない。


私は、ただ『はい、10年勤めあげます。』と答えた。


それから数年後、風の強い桜吹雪が舞う春の日にその方は、突然他界された。


税理士としての居場所を頂いた。職業人としての厳しさを教えて頂いた。経営者の思考とはどういうものかを身をもって教えて頂いた恩人であるその方との大事な思い出と、


1つの約束だけが私に残った。



  

                                 <キャプテンだだお>


大反響ありがとうございます。

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