●尾瀬沼~至仏山 2015年9月12日(土)~9月14日(月)

 群馬県片品村 尾瀬ヶ原(1,660m)、至仏山(2,228m)

<参考コースタイム>

 第一日目

 JR上毛高原駅→(バス2時間)大清水→(バス15分)一之瀬→(1時間15分)三平峠→(15分)

 尾瀬沼山荘→(20分)長蔵小屋(宿泊)

 <合計歩行時間> 1時間50分
昨年に引き続き、従兄姉会山岳部6名で2泊3日の"尾瀬沼"山行へ。

当初の計画は、9月8日から2泊3日で尾瀬沼から沼山峠を超え、桧枝岐温泉にゆっくり浸かり、最終日は皆と別れ、単独で会津駒ヶ岳に登る予定だったのだが、あいにくのW台風の影響で2日後に延期。

しかも桧枝岐からのアクセスが不通になったため、尾瀬沼の周遊後は戸倉温泉に戻って1泊することになった。翌日は、希望者のみで至仏山に登るという計画。

さらに当日の朝になって不測の事態が発生。

というのは集合時間の間際に都内で震度5弱の地震が発生、予定の新幹線に間に合わないメンバー(2人)がいて、先のり組と合わせて、各2名の3組に分かれての出発。

今回の山行きは、終始、天変地異に翻弄されることになった。


尾瀬沼へのアプローチは様々あるが、今回はJR上越新幹線の上毛高原駅からバスで大清水を経て尾瀬沼へ。

大清水からは通常マイカー規制で林道を1時間ほど歩くことになるが、昨年から一之瀬まで低公害車(ワゴン車)が走るようになって、これを利用することにした。ここから尾瀬沼へはわずか1時間半足らずで着くことができる。

低公害車を使うと、徒歩1時間10分のところを15分で一之瀬に着くので、かなりの登山客が利用すると思いきや、意外やほとんどの登山者(若い人)が林道を歩き始めている。

因みにこのワゴン車は、昨年は試験的に無料で走行していたが、今年は700円の有料になった。

             低公害車のゴール地点「一之瀬」

一之瀬への道は「林道」と書いたが、実は、沼田街道という。

桧枝岐村(会津・福島県)から片品村(上州・群馬県)を結ぶ古道で、古来から関東と奥州を結ぶ街道の一つだったというが、いまこの山道に街道の面影は微塵もない。

9月の初旬とはいえ、すでに紅葉が始まっている木々もある。

さすがにモミジが色づき始めるにはまだ早そうだが、ところどころハゼが紅葉し、ナナカマドやガマズミも赤い実を付け、紅葉時期を告げている。

ナナカマド ガマズミ
トリカブト

一之瀬からしばらくゆるい坂道を登ると、石清水があり、さらに進むと階段状の木道に出る。

ここからが急坂になり、やがて道を右にトラバースするようになると、平坦な道になる。

その先が標高1760mの三平峠だ。

峠と言っても樹林の中にベンチがあるだけで、展望が効かないが、ひと休みするには都合がいい。

                  三平峠
ここまで来れば、あとはゆるい木の坂道を歩いて尾瀬沼の湖尻に着く。

途中、薄暗い樹林から、尾瀬沼の一端が垣間見えて、皆足取りが軽くなるようだ。

湖尻に尾瀬沼山荘があり、沼の縁に立つと、目の前に燧ヶ岳の雄姿が眺められる。

ここでわれわれは昼食を摂り、たっぷり休んで、沼沿いの木道を歩いて本日の宿泊地長蔵小屋へ・・。

途中、湖畔の向こう側には絶えず、燧ヶ岳のがっしりとした山容が目に飛び込んでくる。



深田久弥は「日本百名山」の著書のなかで、「尾瀬沼から燧岳をなくしたら、山中の平凡な一小湖に化してしまうだろう」と記している。

そして、旅人が深い森を通り抜け、「・・山と沼と両々相発した美しい風景に巡り合った旅人の心持は、いかばかりであったろう」とその景観を絶賛している。それほど、碧く澄んだ尾瀬沼の向こうに聳える燧ヶ岳の眺望が素晴らしいということだろう。
深田久弥は、尾瀬という名の由来について、小暮理太郎氏の説を引用して、「寛文6年(1666年)に編纂された会津風土記に、小瀬(おぜ)沼とあるのが文献の最初」と解説している。それ以前は会津と上州の境にあることから「さかひ沼」と記されていたという。


われわれは木道をゆっくり歩いて、30分後に本日の宿泊地長蔵小屋に着。

長蔵小屋が、ちょうど群馬県と福島県の県境になる。因みに尾瀬沼を数時間先に進むと、今度は新潟県の県境になる。

                長蔵小屋

長蔵小屋前のにはすでに諏訪からの先着組がいる。


小屋の裏手にビューポイントと呼ばれる場所があり、明け方、湖のふちから燧ヶ岳の朝焼けが眺められるという。


森の木々は、いまだ秋の気配は希薄だが、青天の雲は高く、すでに秋空の気配が漂っている。

1時間ほど経って、最後の組が小屋に到着し、皆で尾瀬の北側の沼山峠に通ずる木道を散歩。

この道も沼田街道と呼ばれ、山荘からしばらく歩くと、尾瀬沼最大の大江湿原に出る。
どこまでも続く長い木道を歩いていると、草原を渡って、ふいに爽やかな初秋の風が吹いてくる。
足下にはコオロギも鳴いている。



その日の小屋の夕食ははこんな感じ。

その2に続く


クリック→
         にほんブログ村