MH小説エピソード11~緊急クエスト:王の侵攻を阻止せよ~ | 緋紗奈のブログ

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このブログではモンハンやデジモン
日常で起こったことを自由気ままに
マイペースで描いています

ケチャワチャの子供を連れてくるまで
王の侵攻を阻止しなくてはならない

失敗条件は勿論3乙

そして力尽きてイラストが…
フランキーさんと左官さんしか描けなかったw


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「だーかーらー!ケチャワチャの子供を
あの黒い狼みたいなモンスターに返さないと
ドンドルマ消滅するかもしれないの!
分かったらさっさとケチャワチャの子供連れてきて!」

「そ…そう言われましても所長の許可が無いと…」

緋紗奈とシエルは研究所来ていた
ケチャワチャの子供の生存を確認すると
研究員と交渉し、すぐにその子供をこちらに
引き渡すように言うが中々話しが進まない

早く獣王の元へ返さないとどんなことになるか分からない

一向に首を縦に振らない研究員に
ついに緋紗奈が痺れを切らした

「…貴方がYesと言わないのであれば勝手に私達が連れて行きます」

と、緋紗奈は研究所の奥に歩き始めた
それを研究員が数人がかりで止めようとしたが
大の男が簡単にあしらわれてしまった

考えてみれば当然の結果である

緋紗奈の使うガンランスは全武器で最も重量がある
それを彼女はまるで自分の手足のように軽々と扱う

腕力は普通の女性の何倍もある彼女にとって
ハンターでも無い男を蹴散らすなど造作も無いことだった



「居たよシエル、この子ね」

研究所の奥の檻に閉じ込められているケチャワチャの子供を発見
檻に鍵はかかっていたが、緋紗奈はそれも簡単に壊した

「おいで、貴方の王が迎えに来ているよ」



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一方その頃、左官、フランキー、砂肝、翠は
獣王の侵攻を阻止するために戦っていた

どんな攻撃をしてくるのかも、どんな前動作があるのかも
それがどれほどの威力があるのかも全くの未知数

全員最大まで集中力を高め、獣王の行動を先読みし
攻撃をくらわないように立ち回る

獣王は咆哮をあげながら左官達に迫る


獣の王


獣王と戦いながら左官は確信していた
やはりこのモンスターは全く本気を出していないと…

狂竜化したモンスターを即死させる攻撃力を持っているのは
明らかなのにそれを一切見せようとしてこない
今のところしてくる攻撃も尻尾を振ったり、前足で
地面を引っ掻いたりなど比較的避けやすいものだった

しかしそれもいつまで続くか…

今一番恐ろしいのはケチャワチャの子供が死んでいた場合
それが獣王の逆鱗に触れ、獣王がめちゃくちゃに
暴れ回るのではないか…ということだった

そうなったら自分達だけではどうすることもできない

「緋紗奈さん、シエルさん…急いで…」


フランキーも大剣の基本的な立ち回りである
一発攻撃をしたら即離脱を一層心掛けながら戦う

肉質はそこまで硬くは無い、爪は白ゲージで弾かれるものの
それ以外は恐らく緑ゲージでもとおるだろうと判断

多少はダメージを与えているだろうと考えていたが
それにしては怒り状態にならないことに違和感を感じていた

というか獣王は威嚇動作も多い

本当に自分達と戦っていると思っているのかと
異様な不安感を彼を包んでいた


砂肝も左官達と同じようなことを考えていた

あの時はただ恐ろしくて師匠の言うとおりに逃げた
今思えばあのままあそこに残っていても
師匠と同じ運命を辿っただろう

それを師匠もあの一瞬で判断したから自分は無事だった
複雑な気持ちでそれを重く受け取った


と、ここで左官が獣王の顔にボウガンの弾が当たっていることに気付いた
その射線上には住民の避難誘導を終えたハンターが数人

獣王はゆっくりとそちらに視線を移した

「ま…まずい…ダメです!逃げて下さい!」


獣王は息を吸い込んだ

軽く吸い込んだのか、思いっきり吸い込んだのかは分からない
しかし周辺にあったものはその吸い込みに引き寄せられる

左官達も踏ん張っていなけれならない

獣王は息を止めると今吸い込んだ空気を口からはき出した



左官達は目を疑う



ドンドルマのアリーナは石造りで頑丈な建物なのだが
それが一瞬で粉々に破壊されてしまった

まるで邪魔をするなと言わんばかりに獣王は
その攻撃によって恐怖を植え付けられ、怯えるハンターを睨み付ける


「な…なぁ左官さん…今の…アカムトルムのソニックブラストとか
みたいじゃなくて普通に息はき出しただけ…だよ…な?」

「そ…そうですよね…多分今のも本気じゃないと…」

「あ…あれは師匠の腕吹っ飛びますね…」


その攻撃には左官達も驚いていた
やっぱり全然本気ではない

もし本当にこいつが怒ったらどうなるのか想像も出来ない


「左官さーん」


その時、緋紗奈とシエルが戻ってきた
腕の中にはしっかりケチャワチャの子供を抱えている

それを見た獣王が一際大きな咆哮を上げた

「獣の王よ、見ての通りケチャワチャの子供は無事です。
すぐにお返ししますので攻撃を止めて下さい!」

ケチャワチャの子供も獣王の姿を見ると
緋紗奈の腕の中から今にも飛び出しそうな勢いで暴れ始めた

緋紗奈はケチャワチャの子供を放した


ケチャワチャの子供は獣王の元へ行くと
獣王もそれを迎え、幼い子を気遣うように
身体をゆっくり優しくなめ始めた

ひとしきりなめ終わるとケチャワチャの子供は
獣王のタテガミをよじ登って背中に移動
獣王もそれを確認すると地面を一蹴りし、大老殿の上にジャンプした

再びドンドルマを見下ろすとまた咆哮を上げ、
そして樹海へ戻るために走り去っていった






「帰った…?」

「帰ったようですね…」


獣王が去ったのを確信すると言いようがない
くらいの脱力感を全員が襲った

こんなに緊張したのはいつ以来だろう?
彼らにとってはそれくらいの長いようで短い戦いだった


「って言うか…本当にあの子取り戻しに来ただけだったんですね。
ちょっと半信半疑だったんですけど……」

「俺もそうだよ、千姫ちゃんからこの話を聞いたとき
最初信じられないなかったんだから…」

「いえ…でも…助かりました。フランキーさん
フランキーさんがいらっしゃられなかったら
今頃私達はどうなっていたのか分かりません。
後で詳しく話を聞かせて下さいね」

「おうよ…」


しばらくするとギルドから派遣されたであろう
人達が左官達のところへやってきた

これから質問攻めされるであろうが、仕方が無い
全員今は自分がここにいることに喜びを感じていた



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