MH小説エピソード9~襲来~ | 緋紗奈のブログ

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このブログではモンハンやデジモン
日常で起こったことを自由気ままに
マイペースで描いています

獣王はゴグマジオスみたいに巨大ではないです
体高は…とりあえずドボルベルクくらい…
アルバトリオンくらいと言った方がいいのかな?

帰ってきてからコメント返しますね


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その日の夜、左官が原生林から無事に帰ってきた
全員で左官の無事の生還を祝う

左官は見たことを全員に全て話した

「左官君の言った特徴をまとめると…
獣王はこんな姿ってことでいいのかな?」

hiroが左官が言った特徴をまとめて絵にして見せてくれた
まさにこれ!っと言う感じに仕上がっている

「すみません、描いて貰ってしまって…」
「気にしない気にしない♪へー獣王ってこんな姿なのか、
カッコいいなーこれは…ちょっと間近で見てみたい」
「いや、これはカッコいい…てか角が凄いな」

獣王の一番の特徴である銀色の角
砂肝も翠も最初覚えていたのはそれだけだったが
絵を見てハッキリと思い出した

間違いなく師匠の命を奪ったモンスターだ

「今のところ分かっているのは尻尾の硬化した毛を
ナルガクルガのように飛ばして武器にしていること、
吸い込んだ息を弾丸のように吹き出して攻撃すること、
大きさは…まぁ一番近いのは最大金冠のグラビモスくらい
…とこんなものか。まだまだ情報が少ないから仕方ないが」

「千姫が引き続き獣王について調べてくれています。
今は彼女の報告を待ちながら私達も調査を進めましょう」

「左官さん千姫って誰?」

「ああ、すみません。真夜と一緒に決めたセルレギオスの名前です」

左官が得た情報を全員で共有すると左官を休ませて
翌日他の皆で調査に行くことにした。
あまり未知の樹海の奥地に行くと獣王の縄張りに
足を踏み入れてしまう危険性が高いので、もしそうなって
獣王が襲い掛かって来ても逃げられるように準備を整える

「あ、そうだ左官さん。シエルさんに会ったぞ」
「え!?」
「緋紗奈さんはいなかったけどな、ナグリ村に行ってるんだと」
「……そうなんですか……」
「左官さん露骨にがっかりした顔しない」
「?左官さん?」
「あ、そうか。砂肝さんは知らないんだっけ、実はね…」
「あのるりさん…言わなくていいですから…」


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翌日、いつもよりも少し遅めの時間に起きた左官

自室から出てリビングに行くと翠がせっせと家の掃除に勤しんでいた
むしろ翠が来てから左官達が家事をほとんどしなくていいくらい
翠は家のこと何から何まで全てしてくれていた

「おはようございますニャ左官殿」
「おはようございます。皆さんはもう発たれましたか?」
「はいです、お弟子さんだけはまだ眠ってますニャ」

砂肝は基本起こさなければ昼近くまで眠っている
少し部屋を覗き、彼がまだ眠っていることを確認すると
消費したアイテムを買い出すために街に出ることにした

翠に留守を任せると買い物だけなので左官は私服で街へ出かけた









左官は普段通りにドンドルマにある店で買い物をしていると
見覚えがある人物が左官に近づいてきた

「お姉ちゃん、いたよ左官さん」
「シエルさん、緋…紗奈さん」
「お久しぶりです左官さん」

緋色のガンランス使いの緋紗奈と妹のシエルだった
緋紗奈の姿を見た瞬間思わず胸が高鳴り、声が裏返ってしまった
慌てて深呼吸をし、自分をなんとか落ち着かせる

「お久しぶりです緋紗奈さん、ナグリ村から帰られたんですか?」
「はい、ナグリ村で作る防具は質がいいので…
シエルから話しは伺っています。大変そうですね」
「は…はい」

その時緋紗奈はフードを深々と被り顔を隠していた
彼女は他人に顔を見られることを極端に嫌っているので
いつもはフルフェイスの防具を纏っている
普段着でも顔を隠そうとしているので、それを知っている左官も
なるべく彼女の顔を見ないように心掛けていた


「えー…っと…元気そうで良かったです」
「は、はい。左官さんも元気そうで嬉しいです」
「お姉ちゃん素直に会えて嬉しいって言えば?」
「な…何言っているのシエル!!」

ははは、っと笑う左官
少しぎこちないながら穏やかな雰囲気だ

「もしよろしかったらまだ少し買い物が残っているので
お暇でしたらご一緒にどうですか?」
「え?……い、いいんですか?」
「そういうことならあたしはお邪魔だねん♪
あたしはさっさと家に帰るから後は二人で楽しんでね」
「え…えぇ!?いや、シエルも一緒に行こうよ」


3人で何気ない会話をしている、その時だった

ドーン、ドーンと警告のドラがドンドルマに轟いた
何事かとドンドルマにいる住民、ハンター、警備兵が騒ぎ始める


「な…何?」
「変…ですね、街にモンスターが近づいているという
情報は一切なかったと思いましたが…」

ドンドルマは山岳地帯にあるため
たびたびモンスターの襲撃がある街でもある

そのため常に警戒し、モンスターの接近が予期されれば
戦闘街としてその姿を変える

しかしここ最近はそんな情報はなかった
もしあればギルドも一目置くハンターである左官の
耳に入らないハズはない

何か予期できないようなことでも起きているのか、
そんなことを考えていた次の瞬間





何かに睨み付けられている感覚を左官を襲った
同時に信じられない背筋が凍る感覚も・・・

左官はこの感覚に覚えがあった

この感覚は間違いない、獣王を見たあの時に感じたもの
しかし何故このドンドルマでそれが…!?


その時住民が大老殿の上を一斉に見始めた
つられるように左官達も大老殿の上を見た




「嘘…です…よね?……そんな…どうして…」








獣王



間違いない!あれは獣王だ
あまりに突然の出現に左官も言葉が出ない

大老殿の屋根の上に佇み、街を見下ろす獣王

見たこともないモンスターの出現。そして何より
いきなり戦闘街ではない場所にモンスターが現れたことに
街は一瞬にしてパニック状態に陥った


避難所に駆け込もうとする住民が溢れかえり更にパニックに陥る


「み…皆さん落ち着いて下さい」


そんな左官の声もかき消されるほど
住民は冷静さを失ってしまっていた

そこに追い打ちを掛けるように獣王の大きな咆哮が辺りに響く

大老殿の屋根を蹴り、高々とジャンプをすると街の中心部へ着地した
さらなる異常事態にもう収集がつかないくらいの騒ぎになってた



左官も緋紗奈もシエルも凍り付いて動けない

全員普段着で防具を纏っていない
今から家に戻っても間に合うはずが無い

まさに為す術がない状況に陥っていた



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