センサーの熱誤作動でエンジン掛かりません Mベンツ | レーシングサービス整備日誌

センサーの熱誤作動でエンジン掛かりません Mベンツ

メルセデスベンツ 98年式 右ハンドル ディラー車


レーシングサービス整備日記


今回は女性ユーザーからのパニック気味の緊急電話。
『走行中突然エンジンが止まった~!』
ふむ。 再始動出来そうにありません。 出動です・・・。

現場に到着後、エンジンを掛けるとあっさり始動。
オーナーにいろいろ質問したのですが、あわてているので
要領を得ません。とにかく工場に引き取ることに。
急に止まったり次に簡単にかかったりする症状から、原因はエンジン本体
とは考えにくく、となると電気系か燃料系かと思いつつ、診断機
に呼び出してみましたが、なんとエラーの記録が出てません。
こんな場合は、燃料系でしょう。 さて燃圧計をセットしてクランキングすると
エンジンは何事も無かった様に始動します。試運転も全く異常なし。

ユーザーがパニックになる位のエンジンストップなんなのでしょう?
さあ、長期戦です。 症状が再び出るまで燃圧計を車内に引き込み、タイミング
ライトも改造して車内に持ち込み1週間。 やっと異常を確認しました。
突然のエンジンのストップ!
しかし燃圧は正常。タイミングライトも正常。
しかしエンジンは始動する気配すらみせません。こりゃ、パニックになりますわな。

さて、エンジンチェックランプも点灯していませんし、コンピュータの自己診断
にも異常が検出できません。(コンピュータそのものが壊れることもありますが、
その場合は「コンピュータの異常」と検出されます)
うーん、自己診断にかからないところで、異常箇所があるのでしょう。
点火系のセンサーから点検に入るセンサーの抵抗値は基準値内。
うーん・・・。


レーシングサービス整備日記

これは、絶対『センサーの異常!』
センサーを除して、ヒートガンでセンサーを熱して抵抗の変化をみてみると
突然センサーの抵抗値が無限大。加熱をやめて少し放置しているとセンサーの
抵抗値は正常に戻りますが、再度加熱してするとすぐに無限大。

これが原因。 


レーシングサービス整備日記

センサー交換で修理完了。
このセンサーは、自己診断テストに引っかからないのです。
同型車で試して見るも同様の結果。なんのための自己診断機能なのやら・・・