04) ヤソートーンへの予期せぬ回り道 | BIG BLUE SKY -around the world-

04) ヤソートーンへの予期せぬ回り道

04) ヤソートーンへの予期せぬ回り道  Unexpected Tortuous Road to Yasothorn

お母さんの家に叔父さん達も一緒にいて、皆で待っているそうです。
空港で荷物が出て来るのを待っている間に、Erika は母親に電話をしたようだ。
荷物を受け取ると、早速、白タクを捕まえて乗り込む。
白タクのドライバー氏は、ヤソートーンの市内は不案内だと言うので、Erika は母親に電話をかけて義父に替わって貰い、携帯をドライバー氏に渡す。
お母さんは道が分からないから..... Erika には珍しく語尾を濁した。

Erika が日本に居る時に実父は他界しており、その後、母親は義父と再婚していた。
Erika は義父を、本当のお父さんじゃないからと言って、あの人と呼ぶ。
あの人とは合わないので会いたくない、あの人も私も強いから、我慢しないでぶつかってしまうのです。
Erika は義父については多くを語らない。
触れて欲しくないことだと思い、それ以上のことは聞いていない。


BIG BLUE SKY -around the world--0401_豆腐と鶏肉団子
[豆腐と鶏肉団子,ヤソートーン] (2012)


道を聞いているのに、警察官のように何度も質問をされます。
ドライバー氏が困った顔を見せる。
Erika がドライバー氏から携帯を受け取ると、電話は既に切れていた。
Erika は携帯の電源を切ってカバンへしまい込み、白タクの外に出て Krong Thip を取り出して火を点ける。
隣りに並んで Krong Thip を一本受け取って火を点けると、上弦月には雲がかかり、熱帯の樹液を含んだ湿った甘い風と虫の声が、ぬめるように頬を通り過ぎる。

食事に行きましょう。
時計を見ると、21時近い。
行きましょう。
Erika に手を引かれて、白タクへ乗り込む。
ヤソートーンへは車で一時間半くらいと聞いていたが、その何倍かを要する回り道になりそうだ。


⇒§05) 重量挙げの熱狂


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