12) ウォーター・スライダー
12) ウォーター・スライダー ≪Water World≫ Water Slide
ウォーター・スライダーには身長制限が有ったが、130センチにわずかに足りない AI を、係員は見逃してくれた。
行列に並んで下を見ると、DS 夫人が手を振るのが見えて、AI,OI は大きく手を振って応えた。
いよいよ順番が来て、AI,OI,私の順で滑り降りる。
「ここのは、くるくるくるくる凄いのよ」
DS 夫人の言葉通りに、目まぐるしくカーブが続く。
私は OI に追い付いて、2人で連なって滑り降りた。
下に着いて OI を抱き上げると、競い合うように AI が背中にしがみ付く。
2人を持て余すのを見て、DS 夫人が笑う。
私は一回で退散して、AI,OI が繰り返し滑り降りるのを、DS 夫人と一緒に眺めていた。
2人の底抜けに明るい笑顔を見ると、脳内セロトニン濃度が高まったかのような、充足感を感じた。
大脳辺縁系の情動と、前頭前皮質の意識との相互作用なのだろうか。
"今回の旅は、昨年の約束を守るためにあった" と定義するのが相応しいと思った。
[パタヤー・ビーチ] (2009)
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