「私とスカイライン」其の4 | ヴェルディの星

「私とスカイライン」其の4

5月初っ端はヴェルディでなくスカイラインです。ラモスヴェルディについては明日あらためて。

9代目以降を紹介していきます。


9代目R33型(1993年)













私が初めて新車で買ったスカイライン、また初めてにして唯一買ったGT-RがこのR33型です(写真はGT-R)。

CMコピーは初期型が「あしたスポーティーに生きる」「日本のグランドツーリングカー」「走りの向こうにロマンがある」「南へ駆ける 」、後期型が牧瀬里穂がCMキャラで「男だったら乗ってみな」、後に女性団体からクレームが来て「キメかったら乗ってみな」に変更。

CMテーマ曲は前期型がR32に続き山下達郎で、「ジャングル・スィング」「悲しみのJODY」(最近アサヒビールのアクアブルーでも使われました)「サウスバウンドNO.9 」の3曲、後期型が「Born to be wild」のアレンジが使われました。山下の歌は今でもクルマの中でよく聞いています。


前作のR32型が好評だっただけに、おおいに期待されましたが、このR33型は大きな問題をかかえてデビューしなくてはならなくなりました。この頃バブル崩壊の影響で日産自動車の経営状態も厳しくなり、経営サイドから「ローレルと同じホイールベース(軸間距離)にしろ」との指令が出たのです。せっかくコンパクトになったR32型スカイラインでしたが、R33型は再び大きくならざるをえなくなったのです。


そう言う状態でデビューしたR33型スカイライン。Jリーグ開幕の1993年のことです。やはり大きく重くなったためか、R32のような評価を得ることはできませんでした(CMは良かったんだけどね)。この年の東京モーターショーでR33のGT-Rの試作車が参考出品されましたが、こちらも評判はイマイチ。

この状態に日産の技術陣は奮起します。ボディは大きくなってもR32を上回るGT-Rを開発しようと。R32はドイツのサーキット・ニュルブルクリンクでテストして開発されました。その時のベストタイムが8分20秒。R33では8分を切る目標タイムが設定され、ついに7分59秒を記録します。

そして標準型のスカイラインの発売から1年半後の1995年1月にGT-Rがデビュー。この時の日産開発陣の奮闘がキャッチコピー化され、「マイナス21秒ロマン」と言うCMが登場します。テーマ曲はディープパープルの「スピードキング」。前作R32GT-Rでは作られなかったGT-R専用のCMが作られたのです。


GT-Rは再び高い評価を得ます。既にバブルが崩壊した時期にも関わらず、バブル時代のR32GT-Rと変わらない売れ行きを記録します。私もそのGT-Rを買った一人w マイナス21秒ロマンを実現した日産開発陣に敬意を表して。足掛け2世紀(20世紀→21世紀)に渡りローンを払い続けましたw カッコだけならR32の方がいいと思ってましたけどね。


レースでは、グループAに変わって開始された全日本GT選手権(より改造範囲が広い)に参戦し、1995年、98年にチャンピオンを獲得した他、スカイラインとしては初めてル・マン24時間に参戦し、95年には総合10位に入賞しています(ドライバーの一人は近藤マッチだった)。



10代目R34型(1998年)













10代目は、場合によっては「最後のスカイライン」になるかもしれませんでした。直列6気筒エンジン搭載モデルとしては最後のスカイラインです。GT-Rもこの型が(今のところ)最後のモデルです。私は買っていません。


先代のR33が、ボディが大型化したことが不評だったので、このR34では若干サイズがダウンしました。しかしエンジンルームが大きいロングノーズであると言う点では、それまでのスカイラインのスタイルの方程式を維持しています。デビューした時、正直こんな古臭いスタイルでいいのだろうかと思いました。私のようなスカイライン信者(笑)ならともかく、一般に受けるだろうかと(私はけっこう気に入ってたんですよw)。

この頃になると、若者が買うクルマはワゴンやミニバンが中心になり、スポーツカー・GTカーが売れなくなっていました。そのためこのR34スカイラインも売れません。日産自動車も一度はスカイラインの廃止を決断しました…。


上の写真はGT-Rです。最終モデルを購入しないかとディーラーの方にも勧められたのですが、簡単に買える安いクルマではないので断念しました。

レースでは1999年ドライバー部門、2001年チーム部門、2003年両部門で全日本GT選手権のチャンピオンを獲得しています。2000年には元F1ドライバー片山右京もGT-Rで参戦しています。


CMコピーは初期型は「ボディは力だ!」。テストコースをドリフト走行するシーンが映され、ボディの剛性を徹底的に高めたことを強調していました。テーマ曲はヴァン・ヘイレンの「You Really Got Me」。

後期型は一転、ソフト路線で「その名を聞いてときめくクルマは少ない」、テーマ曲は10ccの「Im not in love」。幻想的な雰囲気でした。(今は「日本のクルマにときめきが帰ってくる」だもんなw)



このモデルをもって、スカイラインの歴史は終止符を打つ予定でした。ところがカルロスゴーンの決断によって、スカイラインは急遽生き続けることになります。その11代目以降についてはまた。