ヴェルディのクラブ経営について真剣に考える | ヴェルディの星

ヴェルディのクラブ経営について真剣に考える


今日はラウンドテーブルでしたね。私は欠席でしたが、どんなことが話し合われたのでしょうか?前回同様クラブ公式HPにうpされると思うので、注目したいと思います。

さて、今日は少しまじめなこと書いてみます。ヴェルディのクラブ経営について。


Jリーグのクラブの収入は、大きく分けて4つあります。入場料収入広告収入商品化権収入(グッズ収入)、テレビ放映権料収入の4つです。Jリーグでは商品化権テレビ放映権はJリーグ機構で一括して売り上げ、それを各クラブに分配する形になっています。このためJリーグが公開した各クラブの収支 (2005年。ヴェルディもJ1にいた)での収入の項目は「入場料」「広告収入」「分配金」(=商品化権料テレビ放映権)「その他」(=移籍金、ファンクラブ会費等)の4項目になっています。


この他にも実は収入のあてになるものがあります。それが親会社からの支援です。上の収支表では「広告収入」に含まれるのですが、親会社があるクラブは、赤字が出た場合、親会社からその赤字分を補填してもらいます。本来、親会社から関連子会社へのお金の移動は、脱税ツールになりやすいので、税務署は厳しく目を光らせています。しかし、プロ野球チームを持つ会社が、子会社であるプロ野球チームへ赤字補填する場合、それを広告宣伝費(損金)として認める通達(俗に昭和29年の通達 と言う)が国税庁から出されたため、損金として処理できます。この通達はJリーグクラブにも適用されることになりました。このため親会社のあるクラブは親会社からの支援を見込んで予算を立てることができるようになりました。親会社のないクラブ(仙台、札幌、甲府、水戸など主にJ2のクラブ)は、赤字を出しても穴埋めしてくれるところがないですから、収支トントンになるような「身の丈経営」を迫られます。


2005年の各クラブの収支 を見ると、ヴェルディだけ入場料収入広告収入を公開していません。他のクラブはすべて公開しています。これは非常に情けないことだと思い、私は昨年12月ラウンドテーブルで指摘しました。もちろん公開できない情報もクラブにはあるでしょうが、こう言う基本的な情報は必ず公開するべきものでしょう。次回に発表時はきちんと公開されることを期待します。


ではなぜヴェルディが公開を拒んだかと言えば恥ずかしいからでしょう。ヴェルディの2005年の収入は約31億円。これはJ1クラブの平均レベルでした。貧乏でもカネ持ちでもありません。あれだけ客の入っている新潟の収入(26億円)より多いのは、親会社である日テレのおかげです。入場料収入はヴェルディは公開してませんが、恐らくJ1最低レベルだったと推測できます。公開すればいかにタダ券で来てる客が多いか一目瞭然になる、だから恥ずかしくて数字を公開しなかったのでしょう。

広告収入は、恐らく浦和(16億円)よりも多い、20億円以上と推測できます。これが何を意味するか?はっきり言って不人気クラブのヴェルディが、浦和より広告収入があるわけありません。つまり多額な広告収入の大半は親会社である日テレからの支援であることが一目瞭然になります。それが広告収入の数字を公開しない理由でしょう。


今年のヴェルデは、J2とは思えない大型補強を敢行しました。恐らく今年のクラブ予算は、J1時代(約30億円)とそう変わらないものと推測できます。J2に落ち、入場者が大激減(1試合平均1万4千人→5千人)し、またJ2で注目度が下がることにより、スポンサーからの広告収入も大幅に減ったものと推測できます。じゃあ何故大型補強を敢行する予算を捻出できたかと言えば、これはラウンドテーブル時にクラブ側も認めていたことですが、親会社である日テレ、第2オーナーであるサイバーエージェントから、引き出してきたからです。会計上は広告収入となりますが、素の売り上げとは言えないでしょう。今年のクラブ全体の売り上げから、日テレ・サイバーを除いた純粋な売り上げ(入場料、広告、グッズ販売等)は、予算全体の半分にも満たないのではないでしょうか?これはどう見ても異常事態です。


ヴェルディがJ2にいる限り、資産価値は下がる、そのため無理してでもJ1に復帰させなければならない、両社がこう考えた結果でしょう。現在のヴェルディの社長が、元・日本テレビ放送網社長の萩原氏と言う大物であることも関係していると思われます。しかし日テレもサイバーも上場企業である故、J2の不人気チームに毎年大型支援をすることは株主が黙っていないでしょう。こんな補強が(J2で)できるのは今年が最後、絶対J1に復帰しなければクラブ経営の面で深刻な事態を迎えかねません。


また親会社からの支援に頼り切る経営と言うものは、モルヒネ打ちまくると言うか、ドーピングのようなもの。決して健全な経営とは言えません。ラウンドテーブル時に数年後に独立採算とクラブ側は言ってましたが、はっきり言ってまだ無理だとは思います。しかしいつまでも親のスネかじってる経営でいいわけではないのも事実です。親会社に頼りきりのクラブ経営と言うことは、親会社の経営状況、経営方針が変わることにより、もろに影響を受けます。最悪撤退・解散と言う決断をする経営者が出てこないとも言い切れません。(逆に親会社の三菱自動車から独立採算になった浦和は、親会社の経営状態など気にしないでいられます


今年の大型補強で、「ヴェルディにはお金がある」と勘違いされたサポの方もいっらしゃるかと思いますが、観客もスポンサーも少ないヴェルディは、決してお金持ちクラブではありません。親会社の支援と言うモルヒネが最大の拠り所と言う、実に不安定な経営状態なのです。そのために親会社の厚意で充分な戦力補強ができた今年のJ1復帰はクラブに課された絶対のノルマです。まさに今年は綱渡り状態なのです。(ヴェルディより倍の観客が入っている仙台や札幌が、貧乏クラブなのは親会社がないからです


過去、1997年にはヴェルディの赤字は26億円に膨らみ、それを読売新聞・日本テレビが折半して補填しました。この2年後、読売新聞は資本を引き上げます。このようなことが再び起きないとも言いきれません。我々にサポに出来ることと言えば、一人でも多くの友人・親戚をスタジアムに連れてきて観客を増やし、またスポンサーの製品を買うことくらいしかありません。地道にでもヴェルディを支援してくれる企業に貢献していくことでしょう。みなさん、ぜひヴェルディのスポンサー の商品を買い、ヴェルディの公式グッズを買って、少しでもヴェルディの売り上げUPに協力してください!


ps.東京マラソン、雨ではありましたが、盛り上ってましたね。職場の同僚も参加してました。雨と言うことで、スポンサーの東京メトロのロゴの入ったポンチョ着て走るランナーもたくさんいましたね。もしヴェルディがスポンサーになって緑のポンチョ着て走るランナーが大勢いたら嬉しいですね。今は無理でも近い将来ヴェルディが地元・東京のマラソンを支援できるくらいの体力が付けばなと妄想してしまいました。