その笑顔には嘘はない。

心からの愛に満ち自然な笑顔だった。

しかしその中には確かな決別が存在した。


頭では理解できない物語が目の前で進んでいく。

しかしそこには疑問も悲しみも後悔もなかった。

ただひとつ、僕はひとつだけ自分に嘘をついた。

「これが大人になったということなのだ」と。

言うまでもなくこれは間違いで、ただの負け惜しみともとれるものだったが、それを気持ち良く受け入れるのは僕だけではなかった。


僕の手がもう少し温かくなったら、そっと背中を押せばいい。

そっと、温かく。







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