ウナギと梅干って、食べ合わせ悪いって聞きますけど、あれ本当なんでしょうか。ともあれ、食べ合わせって大事ですよねぇ。で、DVD二本鑑賞。どうしてこの組み合わせなんだ???もう、無茶苦茶。
 方や、大作志向のアクション邦画、方や、インディペンデントなミニ・シアター系。両極端を攻めたい心境って、ありませんか。時々。
 さて、『怪人二十面相・伝』。もう、怪人二十面相ってキーワードだけで、鳥肌立ってしまいます。私の世代は。レトロモダンで耽美的、奇想天外で、ホントはちょっとエロティック。ワクワク、ドキドキの代名詞でしょう!!
 というわけでこの映画、怪人二十面相をモチーフにした映画ですが、実は、所謂成長物語やらビギンズものの、ど真ん中を、怪人に寿面相というネタで翻案したような、超絶にベタな映画でした。ま、設定を階級格差に置き、勧善懲悪直系の義賊譚やら、身分違いの恋やら、相当にベタベタなんですけど、実は細々としたシーンやカット割まで、「どこかで、随分たくさん観たような」という既視感を抱かずにはいられないほど。冤罪を晴らすため、真の怪人二十面相との対決を決意した曲芸師・遠藤平吉こと金城武氏が、ワケあってとにかく走りまくるシーケンスなどにいたっても!!
 でも。それらのベタさがすべて打ち消されてしまうのです、怪人二十面相というモチーフの前では。これはもう、着想の勝利ですね。だって、これだけ言いつつ、しっかり愉しんじゃいましたから。
 ところで、『V・フォー・ヴェンデッタ』風コスチュームで、『バットマン』風ワイヤー使いまくり。これも食い合わせの妙???
 ニコラ・テスラを援用したり、サーカスの非日常的ないかがわしさなど、演出上のネタ選びは、なかなか通好み。小林少年の美少年ぶりも、好きな方にはたまらないはず。また、遠藤平吉が修行を積む泥棒長屋のシーンだけをつまんでもなかなか人情味あふれ、実はこの『怪人二十面相・伝』観れば、『三丁目の夕日』は観なくてもいいんじゃないか、とまで思うほど(だって、『怪人~』の方には、懐かしい人情とミステリー両方が入ってますからネ)。
 明智小五郎に中村トオル氏。もうひとつミスキャストかなぁ、と思っていましたけど、実はそうじゃなかった(これ以上は書けません…)。何気に、國村隼氏が良かったなぁ。あとは、この手の映画の狂言回しを担った松たか子氏のコメディエンヌぶりが、飛び抜けすぎていて、実は少し浮いていたかも。でもそれはきっと、他のキャスト(特に主演級)が、あまりコメディっぽくないからかも知れませんね。コメディタッチのシーンでは完全に“松ペース”でした。
 で、今度は『ブロークン・イングリシュ』。我らが“見かけワイルド草食系・俳優”メルヴィル・プポー見たさに観たという。いや、もちろんゾエ・カサヴェテスの手腕にも関心ありましたけど。
 この映画ねぇ。リアルすぎる。リアルすぎて、身もフタもない。でも、オチはファンタジック。だからかなぁ、なんかアンバランスな印象がぬぐえない。いや、そのアンバランスささえも、ヒロインの心境の演出だとするなら、それは別ですが。とにかくこのヒロイン、ノラ・ワイルダーがダメ子なのです。もう、恋愛に対して痛すぎる。そう書くと語弊があるかもしれませんが、多分女性の共感、あんまり得られないんじゃないかなぁ、なんて思ってしまいました。少なくとも、日本ではね。『ブリジット・ジョーンズの日記』みたいな、「どうせ最後はハッピー・エンドなんでしょ」ってな期待が最後まで持てないほどに、痛い。見ているこっちが、「ノラ、キミはもうダメかも」と思うほどにネガティヴ。そのネガティヴ度も、この監督ってドS?っていう位、容赦ないワケで。ま、結局はハッピー・エンドなんですけど、一般的にこの映画に期待してしまうような、ベタなロマンティシズムはあまり感じられませんよ。案外、泥臭い(というか、カジュアル。お洒落…ではないと思う)かも。
 いや、そうか。ベタそうでベタでない恋愛映画。ベタそうでなくて案外ベタなアクション映画。なるほど、無意識にそんなく食い合わせ、してたんですかね。。。(了)


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帯津良一・帯津三敬病院名誉院長推薦、出版記念講演・青木新門『何のために生き、死ぬの? 意味を探る旅』(地湧社)。

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