なんだかんだ言って買った、裁けぬ悪を裁く映画『処刑人 アナザーバレット』。選挙行ってから観ましたよ(深い意味はないです)。しかしまぁ、ここまでヒドイ作品は、ココ数年で久しぶり。駄作の中の王様です。もう、ユル過ぎ。
 大抵、どんな駄作と言われる映画にも、何かしら希望を見出して、甘口評価をする私でも、これには参った。
 まず、私が愛してやまない『処刑人』を、明らかに意識したジャケット写真。かつて養子として義兄弟になった主人公二人が、9年ぶりに再会し、巨大な悪を討つ。そんなストーリー。確かに“兄弟モノ”という点は踏襲してますが、まったく『処刑人』との接点も意味付けも見出せず、しかも、スクリプトは杜撰で、話の展開は複雑でもないのに分かりづらいわ、「ここ、笑いどころです」的シーンは一切笑えず、シ~ン。ご自慢の撃ちまくりガンアクションは、コピーほどには激しくもなく、緊張感を煽りたいであろう銃撃戦すらグダグダ、キレなし。
 よくぞここまでの駄作を作った!!これこそ究極のB級映画。もうお手上げです。最期まで、息をのむ場面も、手に汗握るシーンもない映画なんて、このジャンルでは滅多に作れるものじゃありません。『処刑人』を冒瀆されたような憤りすら抱かせないこの『処刑人 アナザーバレット』(理ある処刑もしていないどころか、処刑すらないという…)、『処刑人』賛美者の方の“ディレッタント”なコレクションに加えるつもりでなければ手を出さない方が良いでしょう。はい、私はそのコレクターなので買いましたけど。(了)

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*こちらが御本家。間違えそうなジャケットですから。
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処刑人