国連教育科学文化機関(ユネスコ)の活動を支援している社団法人「日本ユネスコ協会連盟」(東京都渋谷区)が、税制上の優遇が受けられる特定公益増進法人(特増法人)の申請を怠ったため、全国の善意の寄付者が確定申告で寄付控除を受けられない事態になっている。16日から始まる確定申告での混乱も予想されるため、国税庁は全国524の税務署に文書を出し、対応の周知徹底を呼び掛けている。

 同連盟の説明などによると、特増法人としての認定資格を失ったのは08年12月から09年6月までの7カ月間。2年おきに事業計画や決算書を財務省に提出して資格を新規に取得しなければならないが、資格を失う時期を忘れ、提出しなかったという。

 特増法人は全国に約2万以上あるが、一般の公益法人のうち、より公益性が高いと判断された場合に認定される。個人が特増法人に寄付した場合は、寄付金額(所得金額の40%が上限)から5000円を引いた額が所得税の課税所得から控除できる。

 資格を失った08年12月分の寄付については、すでに09年の確定申告(08年1~12月分が対象)で誤って控除を受けた寄付者がいるという。これらの寄付者に対し、同連盟は修正申告して新たに所得税を納め直すよう文書で求めている。

 09年1~6月分については10年の確定申告の対象だが、控除は受けられないとの通知をしている。連盟には毎年約2億円を超える寄付が寄せられ総額のみ公表しているが、今回影響を受けた寄付者の数や額については公表していない。

 毎日新聞の取材に対し同連盟は「単純なミスで大変申し訳ない。控除が受けられずに生じた経済的負担は現金で補てんするなどして誠実に対応したい」としている。【石丸整】

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