。またアクワイアの社風でもある“エッジの効いたタイトルをリリースする”というイメージともマッチすると考えました。 広瀬氏:  一つのターニングポイントとなったのは,弊社が2009年12月にPlayStation 3用として配信した「」でした。そしてもう一つは,キューエンタテインメントさんの「」でした。あれは完全なMMORPGですが,コンシューマ機でもああいう展開ができることを示してくれたんです。 :  今,わりとあっさりと説明されましたが,無料での配信は難しい決断だったように思うんですが。 遠藤氏:  ええ(笑)。毎週会議を重ねて,決まるまでにはかなり時間がかかりました。 広瀬氏:  ほかにも,パッケージを低価格で提供してDLCを組み合わせる既存のモデルや,ダウンロード販売などが候補に挙がってましたね。 遠藤氏:  といっても,元からパッケージではなくダウンロード配信にしようとは考えていました。最大の争点は,パッケージ部分を無料にするか有料にするかというところでした。実際,有料にしたほうがビジネスとして考えやすいんです。弊社のWizardryが,まさにそのモデルでした。 :  それはそうですよね。本体部分を有料にすれば,シンプルかつ分かりやすく,予定も組みやすいですし。 広瀬氏:  ええ。しかしPSPでは,PS3と比較してDLCにお金を払うというモデルが定着していませんよね。ターゲットとするユーザー層も異なりますし,そもそもWizardryは,既にブランドが確立されたタイトルです。  一方,今回の「バクマツ☆維新伝」は,完全な新規タイトルですから,認知を高めるために“無料”という要素をウリにしようと考えたわけです。 :  なるほど。 広瀬氏:  さらにゲーム的な観点からいえば,このタイトルは“ローグライク”なシステムを採用していてスタンドアロンでも楽しめるのですが,最大4人で協力プレイができる点が大きな特徴になっています。  従来タイトルでは,ネットワークを使った“お助けシステム”などはありましたが,“同時にプレイできる”という作品はほとんどなかったと思います。 :  確かに「Angband」の派生くらいですね,ドラクエ10 RMT。マニアックすぎますけど……。 広瀬氏:  ところが,そういった協力プレイを楽しんでもらうためには,みんながソフトを持っていなければなりません。「ドラゴンクエスト」シリーズくらい普及していれば,比較的手軽にすれ違い通信や協力プレイを楽しむことができますが,ro rmt,それ以外のタイトルではなかなか難しいのが実情です
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