内容紹介

冷戦終結と欧州統合が生み出した「ドイツ帝国」。EUとユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが一人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で緊張を高めているのもロシアではなくドイツだ。かつての悪夢が再び甦るのか?

 

著者について

エマニュエル・トッド(Emmanuel Todd )
1951年生まれ。フランスの歴史人口学者・家族人類学者。国・地域ごとの家族システムの違いや人口動態に着目する方法論により、『最後の転落』(76年)で「ソ連崩壊」を、『帝国以後』(02年)で「米国発の金融危機」を、『文明の接近』(07年)で「アラブの春」を次々に“予言”。『デモクラシー以後』(08年)では、「自由貿易が民主主義を滅ぼしうる」と指摘。

 

目次

1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る

2 ロシアを見くびってはいけない

3 ウクライナと戦争の誘惑

4 ユーロを打ち砕くことができる唯一の国、フランス

5 オランドよ、さらば!― 銀行に支配されるフランス国家

6 ドイツとは何か?

7 富裕層に仕える国家

8 ユーロが陥落する日

 

 

 2015年5月に出版された本ですが、その時点でイギリスのEU離脱を断言しています。ちゃんと予測していた人はいたんだな。他にもウクライナ問題にしても日本で報道されてる内容とは全く違った見方をしています。ウクライナ問題の原因はロシアではなくドイツである、と。本のタイトルがちょっと走りすぎちゃってる気はしますが、今まで見たことがない視点からの洞察で、内容はとても面白かったです。大量のシリア難民が流入した現在のヨーロッパを、このエマニュエル・トッドさんがどう見ているかも知りたくなりました。