これは、エル君が某黒いノートの事件と出会う以前のお話・・・。
~エルの休日~
ここはとある高級マンションの一室。パソコンの前で椅子の上で三角座りをする奇妙な男が居た。よく見ると眠っているようだ。うつらうつらとしていて、今にも椅子から落ちそうである。窓からは優しい日差しが射し込んでくる。どうやらもう朝のようだ。外からは小鳥の鳴き声。眠り続ける男。不意に一斉に飛び立つ小鳥達。バサバサと木々を揺らす音に、ビクつくような反応を見せる男。前髪から覗く、目下に大きな隈のある瞳が薄っすらと開かれる。どうやら目を覚ましたようだ。
「・・・また、眠ってしまいましたか・・・。」
彼の名はエル。と言っても、本名ではない。通称である。ジーンズに白い長袖シャツ、黒髪のボサボサ寝癖頭、色白の肌に大きな隈の裸足男という、いかにも怪しい青年だが、こう見えても彼はなんと世界一の名探偵と言われているのである。決して人々の前に姿を晒さず、主にパソコン越しの助言や指示を出したりするのだが、その推理力や能力により、数々の難事件を解決してきた。FBIや世界中の警察を動かせる人物とさえも言われている。その警察達でさえも、彼の本当の姿や名前を知る者は居ないのだが・・・。
「ワタリ。・・・ワタリ?居ないのですか?」
エルが今呼んだワタリという人物。彼はエルと警察を繋ぐ仲介役のようなものである。もちろんその能力はエルに劣らずとも勝らず高い。エルに代わり警察と会う時は、トレンチコートに深く帽子を被るという変装をして行くが、普段の姿は白髪に細い目に眼鏡、執事のような格好の老人である。2人が並んで歩けば、おじいちゃんとその孫・・・に見えなくもない・・・かもしれない・・・。そんな奇妙な2人であった。
「・・・そうか・・・今日は休日でしたね・・・。」
2人には休日など、決まった休みなどはないのだが、昨日、長い間取り組んでいた難事件がようやく解決し、一息ついたので、せっかくなのでたまには休みをとることにした2人である。エルは、
「私のことはいいですから、ワタリもたまには息抜きをしてきてください。」
っと言ったのを思い出した。どうやらワタリもそのようにしているらしい。朝早くからおでかけ・・・。なんとも健全な老人だ。対してエルはというと・・・。遅くまでネットで『ミサミサ』の写真等を閲覧などしつつ・・・。なんとも不健全な若者である・・・。世界一の名探偵と言われつつも、普段の行動はそこらの若者と変わらないのかもしれない。
「うーん、目が覚めてしまいましたね・・・。何か食べますか。」
椅子から降り、部屋中を探し回るエル。
「何も無いですね。」
どうやら食料を切らしているらしい。しかたないので、散歩ついでに買いに行くことにする。
「そうだ、ついでにあそこに寄って行きましょう。」
そうブツブツいいつつ、クレジットカードをポケットに突っ込み、裸足のままスニーカーを履く。ポケットに手を突っ込み、少し猫背姿。部屋を後にするエルだった。
(ここまで少し硬い感じで書いたけど、以下砕けて書いちゃうかも・・・テヘ★)
エルは世界中を飛び回っていて、あちこちに潜伏場所を持っている。今回解決した事件は、日本の京都の高級マンションにて推理していた。
エルは近所のスーパーで食料を買い、最近のお気に入りの場所に向かった。ちなみに食料の中身は、一般の人間なら、オエっとしてしまいそうな程の大量の甘いお菓子だった。エル曰く、しっかり脳を使っていれば、いくら甘いものを食べても太らないとか・・・。ほんとうだろうか。
エルが向かった先、それは京都国際漫画ミュージアムである。入館料(大人500円)を支払い券を買えば、その日1日出入りが自由で、新旧約5万冊の漫画が読み放題である。古い小学校を改装して作られた場所だ。どこでも自由に読むことができるが、校庭だった芝生に降りて読んでも構わないし、ここだと飲食も自由だ。そこがエルのお気に入りの場所だ。今日は天気も良い。
「なんだか今日は変わったお客さんが多いですね。コスプレイベントってやつですか。」
昨日の夜から何も食べていないエルは、とりあえず漫画は後にして食べることにした。
コアラのマー・・・いえ・・・パンダのマーチです・・・
おいしいです・・・
お菓子・・・もとい少し遅めの朝食を食べるエル。その背後で、ポトリと何かが落ちる気配がした。
「?」
振り返るエル。黒い何かが落ちていた。立ち上がり、近くへ行ってみる。
ゆっくりと慎重に拾い上げるエル。
「・・・」
!?
こ、これわぁッ!
「デツノテ・・・。直訳して『ネコミミノート』ですか・・・。(ちょ、まてエル・・・違ッ!)
くだらないですね。」
ノートを開き調べると、使い方やルールが記載されていた。
『このノートに名前を書かれた者は、4秒後にネコミミが生える。(以下省略)』
「バカバカしいですね・・・。そんなこと起こるわけがない。」
しかし、なにかムラムラした気持ちがエルを襲う。
「ありえません・・・。絶対にありえません・・・。でも・・・もし何か書く物でもあれば・・・。少しくらいは試してみようとしたかもしれませんが・・・。」
いつの間にかエルの手には書く物が握られていた。
「たまにはこういうバカなことをするのもいいでしょう。休日ですしね。さあて・・・騙されてあげますか・・・。しかし、誰の名前を書きましょう・・・。もし本当だったら、大変な事に・・・。いやいや名前を書かれた者が死ぬわけでもないし・・・。ま、いいでしょう(よくねえよ)。とりあえず・・・、知り合いの名前でも書きますか・・・。」
少し考え、意を決し書き始めるエル。
「さあて、どうなるんでしょうね。」
携帯電話の準備をし、4秒後を待つエル。
「もしもし・・・、ユウキさんですか?」
「竜崎(偽名)?突然どうしたんですか?フンフンフーン♪」
「いえ、少しお伺いしたいことが・・・。とても馬鹿らしいことなのですが・・・。それより何だか嬉しそうですね。」
「そうなんだ♪やっぱりわかる?実は突然可愛いネコミミが生えてきて、上機嫌なんだ♪」
「な、なんですって!?」
驚くエル。
「ま、こんな話、賢い竜崎は信じないだろうけど・・・♪」
「で、聞きたい事って何かな?」
「も、もういいです・・・。ありがとうございました・・・。」
「? んじゃ、またねー♪」
「どうも・・・」
携帯を切るエル。信じられなかった。
「・・・いや、違う・・・。まだそうとは限らない・・・。何かの偶然かもしれない・・・。(ネコミミ生えるってどんな偶然だよ) よし、他にも書いて試してみましょう・・・。」
まずは・・・
「・・・って、ネコミミメイドって・・・なんつうベタな・・・ケッ・・・」
次は・・・ダンジョン攻略中のクールなバッドガイ!
「うおおおぉぉおッ!」
ゴブリン達を軽々となぎ倒す、骨の髄まで悪さん。
「ふう、やれやれだぜ。」
ふと、連れていた馬の大きな瞳を見ると・・・
「うん?俺の頭に何か付いて・・・って、なんじゃこりゃアッー!」
次は・・・今まさに新しいマジックを披露しようとしている・・・
「この手の中から~・・・薔薇がッ!」
「ジン・・・そりゃ流行んねえだろ・・・。ねえグリニスおばさん。」
「お・・・オホホホ・・・。か、可愛らしいわよジン君^^;」
「なんでだろ・・・せっかくマジック成功したのに、2人が少し引いてるのは・・・」
次は・・・
「ああ、ちなみに、本名じゃなくても、書く時にネコミミにしたい人物の事がしっかり頭に思い描けてたら、あだ名とかでもいけるっぽいです。その点はデ〇ノートと違いますね。うん?デ〇ノートって何だ?何を言ってるんだ私は・・・。なにがなんだかわからない・・・。」
さあどんどん行きましょう。次からは有名作品からマニアック作品まで、色んなキャラクターをネコミミにしてしまいましょう。
「可愛いですねえ・・・。」
ト〇ー「うわあん!渡り鳥の兄ちゃんのミミが~!」
「おかしなト〇ー・・・いったい僕のミミがどうしたってんだろうね?メリー(羊、仮名)」
「め~~」
・・・
アフロに隠れて変わらない件・・・
「そういえば・・・もともとネコミミっぽい物が生えてる人はどうなるのでしょう?・・・試してみましょう。」
さあ・・・どうなる!?
に、なっちゃいました・・・。
ちなみに、背も高くなってる気がしますが、
錯覚です
決して本当に伸びてるわけではありませんので、
測ったりしないで下さい
・・・
「・・・ふう・・・つい楽しくなって、いっぱい書いてしまいました。」
「しかし、皆さんの反応は様々でしたね。喜んでる者から、それが元でトラブルが発生してる者まで・・・。必ずしも善い結果が出るとはいきませんでしたね。まったくもって厄介なノートですね。(書き込んでるのはお前だ)」
ふと・・・。何か思いつくエル君。
「・・・フフ・・・。」
そしてサラサラっと書き込んでいく・・・。
「さあ・・・どうなる!?」
立ち上がり鏡を覗く。
3・・・
2・・・
1・・・
実はまだ少しだけこのデツノテを疑っていたエル君。もしかしたら、ワタリあたりが首謀者で、みんなで自分を騙そうとしていたのかもと・・・。ところが・・・。エルの頭には立派なネコミミが生えていた。そう・・・。やはりこのノートは本物だったのだ・・ッ!
「本当に・・・本当に本物だったのですね・・・。どうしましょう・・・。生えてしまいましたね・・・。」
鏡を覗き込みながら、少し悩むエル君。しかし・・・。
「でも、こんな姿の私も・・・けっこう・・・
・・・ですね・・・。ウフフ・・・。」(自画自賛かよ★)
「よし、このまま・・・
世界中の人々をネコミミにして・・・
しま・・・
おう・・・
か・・・
な・・・
・・・」
「竜崎・・・竜崎・・・」
「・・・う・・・ん・・?・・」
「起きて下さい竜崎。こんなところで寝て・・・。風邪をひいてしまいますよ。それに、もう夕方です。」
「・・ワタ・・リ?」
どうやらエルは眠ってしまっていたようだ。
「疲れていたんですね・・・。昨日解決した事件も大変でしたから仕方ないでしょう。お疲れ様でした。」
「いや、夜遅くまで、ミサミサの画像を・・・。それより、デツノテは?ネコミミは?」
「ハ?デツノテ?ネコミミ?」
自分の頭を触るエル。そこにネコミミは無かった。しかし、手には・・・。
「デツノテ・・・。ワタリ、すまないが実験台になってください。」
「ハ?何のです?」
それには答えず、サラサラっとワタリの名前を書くエル。ワタリの方に大きく名前の書かれた部分を突き出すように見せながら、4秒を経過するのを待つ。しかし何も起きなかった。
「そうですよね・・・。そんなノートが現実に存在するわけがない。きっと誰かのイタズラである、この使い方やルールを読んでしまった後に、私の脳が勝手に作り出してしまった夢ですね。きっと・・・。」
「さ、そろそろ帰りましょう。竜崎^^」
「はい・・・。」
ワタリの名前の書かれたページのまま、その場にノートを置く(もちろんお菓子は全部持って帰りましたが♪)
風に吹かれ、自然と閉じられるデツノテ。
「良い夢が見れました。とても充実した休日でした。」
「左様でございますか。」
「こんな不思議なノート・・・。2度と出会うことはないでしょう・・・。
さよならデツノテ・・・」
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ええと・・・なんて呼んだらいいかな、エルさんでいいか・・・
エルさん!撮影ご協力&撮影許可頂きありがとうございました!><
おかげでよさげな同人(?)っぽいなんか変な作品ができました!
感謝感謝です><
素敵すぎる・・・
本当にありがとうございました!!!
・・・
まあ・・・
自作自演で私やけどな!(爆
|∀`*)ゝ エヘヘ~♪
以上!2回目のコスプレでした!(1回目もあるのか?)
|彡 サッ (マテコラ