或る終焉(’15)
監督:マイケル・フランコ
ティム・ロスは、いつから、こんな繊細な演技が
出来るようになったのですか?(笑) ビックリです。
完全なるミスキャストだった「海の上のピアニスト」から18年・・・・
終末期の患者をケアする看護師として“命”と向き合う・・・・・
死期が迫った患者の看護師として働くデビッド(ティム・ロス)
息子の死をきっかけに元妻や娘と疎遠になった彼は、
患者の在宅看護とエクササイズに励むだけの寂しい日々を送っており
患者たちとの親密な関係が心の拠りどころとなっていた。
そんなある日、デビッドは末期がん患者マーサ(ロビン・バートレット)から
安楽死を手伝ってほしいと頼まれる・・・・・。
前作 『父の秘密』 でカンヌ映画祭「ある視点」部門グランプリに輝き
マイケル・フランコ監督にトルフィーを授与したのがティム・ロスだった。
それが縁で、じゃあ一緒にやる~ぅ? ってことになって(そんな軽くないだろ)
ティム・ロスは主演だけでなく製作総指揮も兼ねている。
彼が演じた看護師デビッドは、プロ意識が高く、きめ細やかな気配りで
患者に対しても真摯な姿勢で接している。死期の迫った患者にとっても
その看護師は家族以上に無くてはならない存在となっていく。
ただ、デヴィッドの患者に対する入れ込み方は少し異様で、亡くなった
女性患者の葬式の後、バーで飲みながら隣の客に「妻が死んだ」
と言ってみて、数十年に及ぶ結婚生活に想いを馳せるように酒を飲む。
次の患者が建築家だったら、本屋に行き建築専門書を買い漁る。
患者の容体が思わしくない時は、交代の時間になっても“通し”で付き添う。
献身的と言えば聞こえはいいが、患者と看護師との距離感が近すぎる。
患者の家族は嫉妬にも似た感情になり、結果、セクハラで訴えられる。
アダルト動画を見たがる患者を黙認してただけなんですけどね。
このマイケル・フランコ監督は、しばしば、ミヒャエル・ハネケという名が
引き合いに出されるような作風で、デヴィッドが患者を看護する光景を
定点カメラで無機質に映し出す。デヴィッドの唯一の余暇?ジムで走る姿を
長いわっ!って、ツッコミを入れそうで入れられない長さで淡々と映し出す。
アダルト動画を見たがる寝たきり老人、見て思い出したんですけど
映画と全然、関係ない話していいです?(いいよ、べつにあなたのブログなんだから)
あ、いいですか~ じゃあ、文字、小っちゃくして書きますね。
名前忘れちゃったんですけど、直木賞も受賞した女性作家に(名前ぐらい覚えておけよ)
寝たきりの父親がいて、ほどなくして父親は亡くなって、女性作家が妹と一緒に遺品を整理していたら
ベッドの下からダンボール箱が出てきて、何だろう?って開けてみたら
なんと、アダルトグッズが、ごそ~っと入っていたんです。
あ、これ「徹子の部屋」で話されたものなんで
“昼下がりの未亡人なんちゃら” とか
“堕ちた美人秘書なんちゃら” とかダンボールの中の
具体的なモノはさすがに言えなかったみたいですけど(笑)
で、ダンボールの中身を見た女性作家と妹のリアクションはというと
「良かった~」
いやらしいとか汚らわしいなんていう思いは一切起きなかったんですって
ずっと寝たきりで、ずっと不貞腐れたような顔で、生ける屍のように見えた父親だったけど
生きる活力がまだあったんだ。生きたいと願っていたんだ・・・・・って
私、こんな美しい “下ネタ” を聞いたことないです。 もう涙でそうになった
ま、お父さんは、あの世で「しまった~!」って思ってるでしょうけど(笑)
すいません。どこかで書きたいと思っていたもので・・・・・
もうひとつの “或る終焉” でした。
で、本家の “或る終焉” は、お尻が浮いてしまうほど
エエ~ッ っていう結末です。
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