シャルロット・フォー・エヴァー(’86)
監督:セルジュ・ゲンズブール
セルジュ・ゲンズブールが監督・脚本・音楽を手がけ
実娘シャルロット・ゲンズブールを文字どおり丸裸にした
虚実入り混じる、父と娘の危うく退廃的な物語。
シナリオライターのスタン(セルジュ・ゲンズブール)は
妻を交通事故死させてしまい、アルコールに溺れる日々。
15歳の娘シャルロット(シャルロット・ゲンズブール)は
そんな父を「人殺し」と罵る。だが二人は、近親相姦にも似た
絆で強く結ばれていた・・・・・・。
オープニング、2人のデュエットによるテーマ曲が流れ
かなり際どい内容の歌詞をシャルロットの、か細い声で歌わせている。
普通の父親なら愛娘をこんな映画には出演させないでしょう(笑)
セルジュは、いい意味でイカれている。スタッフ・クレジットには
セルジュの名を入れずに “ゲンズブール” のみで表示され
娘シャルロットとの共犯関係を築こうとしている。
彼なりの娘への屈折した愛情なのでしょう。
学校の課題をしているシャルロットが父親に答えを聞くと
下品極まりない下ネタで返して 「そんなこと書けないわ~」 って
半笑いしながら軽くいなす15歳の娘。 シャルロットも負けじと
「脳ミソに届くぐらい鼻クソほじって・・・・」 コラッ 歪んでるでしょう(笑)
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ただ、実父を前にして安心しきって、シャルロットの魅力が最大限に
生かされいたように思えます。『なまいきシャルロット』とはまた違う魅力。
この親子共演は今となっては貴重ですからね。
実を言いますと、フランス人俳優で1番カッコいいと思ってるのが
セルジュ・ゲンズブールなんです(厳密には俳優じゃないけど)
えっ、ジェラール・フィリップでもなく、アラン・ドロンでもなく はい(小声)
もさっとして、やさぐれているところが、たまらなく好きなんです。
劇中、マジゲロ吐いたり、オシッコしている便器を映して
的に全然当たらないで、あっち飛ばし、こっち飛ばし(こいつアホだ)
下品極まりない下ネタの中に、ちょっと哲学めいた言葉を発したり
で、こんなやさぐれた顔でキュートな曲、作ったりしてるでしょ~
(その理想の男性像、絶対おかしいって、笑)
母親と交通事故に遭いひとり生き永らえた父親を嫌悪する娘と
自分なりに娘への愛を表現しようとする父親との葛藤を描いた
ゲンズブール親子共演で贈る人間ドラマ。
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