ふたりのベロニカ | Untitled




ふたりのベロニカ(’91)フランス国旗ポーランド国旗


監督 : クシシュトフ・キェシロフスキ


この広い世界に、もうひとりの自分がいる・・・・。

オレンジがかった、やわらかく暖かみのある色調に酔いしれました。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

同じ年、同じ日、同じ時刻に生まれた “ふたりのベロニカ”

一方はポーランドの小さな田舎町で、もう一方はパリ郊外で。名前も同じベロニカ。

ふたりの少女の運命が、遥かポーランドとフランスで交錯し

やがて少女は、運命に導かれるようにしてひとりの男と出会い。恋に落ちる・・・。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

「この作品を支えているのはヒロインの感情や感性が生み出す緊張感だ」

こう語るキェシロフスキ監督に今作品で見出され

ポーランド、フランス、それぞれのベロニカを演じたイレーヌ・ジャコブ

透明感があって、やわらかな映像にうまく溶け込んでいました。

ポーランドのベロニカが雨に打たれながら歌を歌い続けるシーンがあるのですけど

歌う歓びに満ちているベロニカに降りそそぐ雨が金色の雨なんです。 

もう涙が出そうなぐらいな映像。

なんでも全編通して深い黄色のフィルターを使って撮影されたそうです。

ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

“人々は互いに見えない糸で結ばれている”

物語の核となっている幻想的な人形劇

フランスのベロニカが勤める学校で上演された人形劇で

『ミツバチのささやき』 の1シーンのように、じーっと舞台を見つめる子供たち

しかし、ベロニカはその人形劇を演出する男をじーっと見つめる。

人形が操られるように、ベロニカも運命の糸で操られているかのよう。

生命が吹き込まれたかのような人形と、力なく横たわる人形

“ふたりのベロニカ” を暗示的に表していたシーン

なんなんでしょうね。 ものすごく物悲しい気持ちにさせられます・・・・・

$ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!

「私は自分自身のことを地方で小品を撮り続けるような監督だと認識していた。」

ベルリンの崩壊で、自国ポーランドから世界に躍り出たキェシロフスキ監督

『ふたりのベロニカ』 は、そんなキェシロフスキ監督の記念碑的作品でもあるんですね。



→ クシシュトフ・キェシロフスキ監督作品


同じ日、同じ時刻に生まれた同じ姿の女性――ポーランドとフランス、ふたりのベロニカを通して、偶然と運命、愛と死といった永遠のテーマを描き出した幻想的な物語
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