ストロンボリ（’４９）
監督は、ロベルト・ロッセリーニ
『無防備都市』 を観て衝撃を受けた、ハリウッド女優イングリッド・バーグマン
見ず知らずのロッセリーニ監督に対し、一通の手紙を送ります。
「もし、あなたの映画に英語は話せるけど、イタリア語は 『愛してます』
としか言えないスウェーデン女優が必要でしたら、いつでも呼んでください。」
翌年、彼女は夫と子供を捨て、妻のあるロッセリーニのもとへ走り、世界を驚かせる不倫事件の発展
それまでのイングリッド・バーグマンのイメージを粉砕、ハリウッドからも干されてしまう。
そして、ロッセリーニとバーグマンと組んで出来たのが今作品
第二次大戦直後のイタリア、迫害から逃れてきた女イングリッド・バーグマンは
アルゼンチンへの移住も却下され、数度しか話したことのない兵士のプロポーズを受けることにする。
結婚式を終え、夫とともに夫の故郷に渡った彼女が目にしたのは活火山を持つ荒れ果てた小さな島
ストロンボリ だった。
彼女はその暮らしもままならぬ土地で、孤独にさいなまれていく。
公開当時、イタリア国民は、ぽかんとしてしまい、興行的にも大コケ
批評家からもスキャンダルに乗っかって酷評
でも、私は好きです。この作品
６０年以上経った今、先入観なしに観れば、とても素晴らしい作品だと思います。
「作り物の女王様にまつりあげられる、ハリウッド式のスタジオ撮影に嫌気が差していた。」
と、バーグマンは語っていたらしいが、今作品は、逆に彼女をもっと大事にしてあげたら？
と思うぐらいでした（笑）
なにせ、火山島でのロケですからね。
『無防備都市』 同様、これぞ イタリア・ネオレアリズモ！！ 的描写で圧倒します。
マグロ漁のシーンであったり、火山の噴火のシーンであったり。
一歩間違ったら、バーグマン死んでましたよっ！
よそ者に冷たい風土と、彼女を理解しようとしない夫
その絶望感に打ちしがれるバーグマンの顔には、ハリウッドでの清楚な顔は消え失せてました。
ラストを製作者側がカットするという、横槍が入ってしまったらしいが
ロッセリーニ監督が言うには
「彼女に涙が残っているか。を知ることが重要」
だそうですよ。
第二次世界大戦で祖国を追われた避難民・カリン。彼女は収容所を逃れるため、ストロンボリ島出身の青年と結婚し島へと向かう。しかし島では疎外され続け・・・。
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