存在の耐えられない軽さ(’87)
監督は、フィリップ・カウフマン
原作は、チェコ出身でフランスに亡命した作家ミラン・クンデラの小説
冷戦下のチェコスロヴァキアを舞台に、1,968年に起こった “プラハの春” を題材にした恋愛模様
※プラハの春=1,968年に起こったチェコスロヴァキアの変革運動。
ソビエト連邦軍主導のワルシャワ条約機構軍による、軍事介入のみを取り上げた場合はチェコ事件という。
「鑑賞に耐えられない長さ」
と、他のレビューで 173分 という長さに対し、上手い文句を考えたものですが
私は、耐えられないどころか、じっくり堪能できましたよ。
若者の間に芽生えた民主化要求の波が、ソ連軍の軍事介入で圧殺されていくプラハ
プレイボーイの医師、ダニエル・デイ・ルイスとジュリエット・ビノシュ、レナ・オリンの
2人の女性が交差する。
ジュリエット・ビノシュが、あどけな~い。
当時、22~3歳でしょうかね。自身初のアメリカ映画出演。
茶目っ気たっぷりの表情に 可愛~いっ!
ジュリエット・ビノシュが、ダニエル・デイ・ルイスと初めてベッドを共にする時も
かぶりつくように、ダニエル・デイ・ルイスとキスをするんです。
興奮した子犬が飼い主に、じゃれつくようで可愛いかったですね。
そんなジュリエット・ビノシュとは、対照的な女性を配したのが良かったですね。
レナ・オリン。
『ナインスゲート』 に出てた時は、気にも留めてなかったですが、この人いいですね。
生き方がカッコイイ。女性から見てもカッコイイ女性なのではないでしょうか。
不倫相手が、離婚したと聞いた時の涙の意味
そういう意味だったのですね。
ジュリエット・ビノシュと、お互いの裸を撮りあうシーンは
男女の絡みよりもドキドキしましたね。
ちなみに、実生活での旦那様は 『ギルバート・グレイプ』 などのラッセ・ハルストレム監督
「私にとって人生はこんなに重いのに、あなたにとっては軽いのね」
「私、その軽さに耐えられないの・・・・」
と、ジュリエット・ビノシュに言われてしまう、存在の軽いダニエル・デイ・ルイス
ハマってましたね(笑)
でも、その軽さというか重さは、レナ・オリンとはバランスが取れていたのですかね。
中盤 “プラハの春” をドキュメンタリータッチで描いています。
古いニュース・フィルムと本編の画調を完璧に合わせるという離れ技をやってのけてます。
3人が本当に “プラハの春” に居合わせたかのようです。
これがあったおかげで、 173分 という長さの中
きゅっと締めてくれましたね。
あと、鏡の使い方が上手でしたね。
ただ単に “プレイ” で上手く使っていたわけでなく
心理描写も、鏡を使って上手く表していたと思います。
こういう映画を撮れるアメリカ人がいたんですね。
1968年のプラハ。国内外に民主化の風が吹き荒れる中、有能なる脳外科医トマシュは自由奔放に女性と付き合い、人生を謳歌していた。
存在の耐えられない軽さ [DVD]/ダニエル・デイ・ルイス,ジュリエット・ビノシュ,レナ・オリン
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