彼女について私が知っている二、三の事柄(’66)
![フランス国旗](https://emoji.ameba.jp/img/user/ck/ckenbow/87110.gif)
![イタリア国旗](https://emoji.ameba.jp/img/user/ck/ckenbow/87107.gif)
監督 ジャン=リュック・ゴダール
映画の原案は、週刊誌に掲載されたアンケート調査
その結果にあらわれた、売春を含む主婦の姿を、引用のような淡々とした日常を追っています。
でも、売春行為の実態に迫るような、生々しさは一切ないです。
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20110116/15/pyscipks/e6/2c/j/o0701048510986703647.jpg?caw=800)
俳優たちは、ドキュメンタリーに出てる一般人を引用したような
わざとらしい、よそよそしさで演技してます。
例えば、カメラ目線で台詞を棒読みとか(笑)
一見ドキュメンタリー風だが、具体的な対象を追うわけでなく
主人公のマリナ・ヴラディも、全体の中の一部で
タイトルの “彼女” とは、あらゆるものを抱えた
女性名詞である “パリ” のことだともゴダールは語ってます。
また、ゴダールは 「現代社会では我々は、多少とも一種の売春行為を行っている」
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20110116/15/pyscipks/a8/87/j/o0400029810986703646.jpg?caw=800)
ある女がバスルームで入浴していたら、ドアを誰かがノックするんです。
普通、家族だと思うじゃないですか。
「フランス電力です。 メーターは?」
「5万フランだ!」
ちょっと笑ってしまいました。
その後、ナレーションで
「やっと入った団地での生活。払いを考えずに、ガスや電気を使い過ごす。」
消費社会への警告、ということなんでしょうかね。
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20110116/15/pyscipks/b0/97/j/o0720030610986724754.jpg?caw=800)
あと、子供にベトナム戦争のことを語らせたり
その子供の宿題が、「同士愛」という作文なんです。
淡々と読むんですけど
「男女共学で、同士愛は可能か?」 とか
「意見が衝突」 「折り合いをつける」
どんだけ大人なの(笑)
読み終わったら、オモチャの拳銃でカメラに向かって、ダダダダダダッ!!
なんか寒気しましたね。
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20110116/15/pyscipks/be/e0/j/o0640036010986703648.jpg?caw=800)
マリナ・ヴラディが、泣きじゃくる子供を売春宿に預けて
しれっとショッピングに行くのも、少し怖かったですね。
売春宿では 「あと3分」 とか言ってるのに・・・
子供は、何が 「あと3分」 なんだろうって思いますよね。
車に子供を乗せたまま、お母さんはパチンコに熱中してしまい
子供が熱中症になってしまった。なんてニュースでありますけど
「主婦売春」 に、限ったことではないですね。
![ちょっと!あなたが食べてるの消しゴムですよ!](https://stat.ameba.jp/user_images/20110116/15/pyscipks/44/20/j/o0570024210986724766.jpg?caw=800)
あ、そうそう、客をホテルに連れ込んだ時
壁のポスターが、溝口健二監督の 『雨月物語』 だったんです。
本筋とは全く関係ない、貴重な情報でした(笑)
ニュータウン建築が進む1966年のパリを舞台に団地に住む主婦の実態をドキュメンタリー・タッチで描く問題作
彼女について私が知っている二、三の事柄 HDニューマスター版 [DVD]/ロジェ・モンソレ,ジュリエット・ベルト,ジャン・ナルボニ
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