ダギーセンター講演会 「喪失体験が子どもの心身に与える影響と回復支援」 | touhokuteamのブログ

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子供支援担当の高橋です。

2012年2月7日に岩手県釜石市にて「喪失体験が子どもの心身に与える影響と回復支援」と題し、ダギー・センター所長のドナ・シャーマン氏を講師とした講演会を開催しました。
http://www.peace-winds.org/jp/news/archives/120126_2159.html

平日の夜間のセミナーにもかかわらず、本当に多くの方においでいただき、ありがとうございました。

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東京や仙台といった大都市とは異なり、交通機関もまばら、近隣の駐車場は津波で被災したまま使用できない・・・などの中、41名の方にご参加いただきました。ご参加いただいた方々は、「この講演をぜひとも聞きたい、子ども達への接し方を学びたい!」という意欲にあふれる方ばかり。皆様の熱意にただただ頭が下がります。

私たちは米国の支援団体マーシーコーのご協力を得て、米国ダギーセンターの「喪失体験をした子どもたちを支援する方法」をご紹介しています。

それは、子どもの本来持っている「立ち上がろうとする力」をサポートする方法。
「傷ついた子供たちを治療しよう」というカウンセリングではないのです。

専門家でなくても、子どもを育てた経験のある方なら、子どもは意外と打たれ強いということは実感されてると思います。そう、子どもは本来強いものなんです。

転んでも、一人で立ち上がれる。それが子どもなんです。

でも、喪失という大きな体験にあっては、すぐには立ち上がれないかもしれません。
そんな時、私たち大人ができることは、立ち上がれるようにサポートすること。大事なのは自分自身の足で立ち上がることなのです。

たとえば、母親を失った子どもに、母親の写真を見せるべきか否か・・・子どもが傷つくからどこかへ隠しておくべきか・・・大人は様々に逡巡します。

でも、なぜ、子ども自身に聞かないのですか?聞いたらどうでしょう、「君はどう思う?」って。

ダギーセンターの所長、ドナ・シャーマンさんは言います。
「子どもに真実を伝えなさい」「子ども自身に聞きなさい」。

たとえどんなに小さくても、小さいなりに子どもが直面している課題を認識し、どうしたいかきっと自分自身で解決できるから。
そして「選択すること」が「自分にはコントロールできる能力がある」との自信につながる、といいます。

「かわいそうな子どもたち」を「治してあげたい」と思っている人はびっくりするかもしれません。
でも、ドナ・シャーマンさんが所長を務めるダギーセンターは30年の歴史の中で実に多くの子どもと、子どもにかかわる大人たちの死別体験を見つめてきました。
ドナさんの話す具体的な事例は、どれも心に深く響きます。

「専門家でなくてもできるサポート」、これこそが本当に求められるものではないでしょうか。だって、子どもは「日常」の中に生活しているのですから。

セミナーに参加された動機は様々です。「父を失った子どもがクラスにいるのでどうかかわったらいいか知りたかった」「被災した児童を担当しているから」という先生や福祉関係の方。
「喪失体験があった子どもに、真実を隠すのではなく語ることの必要性を強く感じました」
「子ども自身に『どうしたらいい』って聞いてみて、子どもに選択権を与えるのが、子どもの自信回復につながるということがよくわかりました」とおっしゃっていたのが印象的でした。

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※ 本セミナーの様子はNHK総合のニュース、釜石新聞でも報道されました