ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、スタジオジブリと東宝のご協力を得て、スタジオジブリ最新作「コクリコ坂から」の特別試写会を、被災地で開催しました。
( http://www.peace-winds.org/jp/news/archives/110705_1400.html )
私は、PWJ國田とこのイベントを担当しました。ジブリさんには、4月に避難所を巡って「となりのトトロ」などを上映する映画キャラバンを行った際にもお世話になりました。今回の試写会は、その時のご縁を大切にしたいというジブリさんとPWJの思いから実現しました。
このイベントは、気仙沼市役所や市教育委員会の方々、陸前高田市立高田小学校の先生方やPTAのお母さんたちの協力なしには、実現できませんでした。それぞれが被災地での多忙な業務をこなしているのにも関わらず、「地元を元気にしたい」「子どもたちがよろこぶと思う」という一心で、協力してくださいました。
「実は、私も被災してるんです。住んでいたアパートは津波で流されました。それでも、最初は学校を再開させることに必死でね。帰りの時間が遅くなってしまって、避難所に着くころには夕ご飯の時間に間に合わず、夕食抜きになることもしょっちゅうでした。」(高田小副校長の言葉)
ご自身も被災されているにも関わらず、震災から毎日、市や子どもたちのために懸命に働いてきた先生方や市役所の方々の気持ちに、私たちは胸を打たれました。「コクリコ坂から」は、“上を向いて歩こう”をキャッチフレーズとした映画です。「被災地での生活が長期化する中で、少しでも多くの人を励ましたい。映画を観た後に、夕食の場での話題にしてもらい、家庭に会話が生まれたらうれしい。ここで(試写会を)やりましょう。」と、東宝とジブリの担当者は決断しました。
試写会前後の時間で、私は宮崎監督らに同行し、被災地を巡りました。一番印象的だったのは、「海が海に戻ろうとしているようにみえる。でも、そこに人が住んでいる限り、支援しなげればいけないですね。」という宮崎監督のお言葉でした。自然の壮大さを目の当たりにした今回の震災。スタジオジブリのみなさんのおかげで、つかの間ではありましたが、被災地が元気になりました。そんなプロジェクトに参加でき、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。