Windows2000/XP時代からあるFireWiee(IEEE1394)式オーディオインターフェースやDV機器の安定動作にはIEEE1394のレガシードライバーが必要な事を、DAW利用者はご存知かと思います。私もWindows7/8時代にレガシードライバーをインストールして使っており、そのままWindows10にアップデートして使っていました。


しかし先日HDDからSSDに換装する際にWindows10をクリーンインストールしたところ当然のごとくこのレガシードライバーは消え、再度インストールしないといけなくなりましたが、残念ながら簡単にはインストールできなかったので、その方法をメモしておきます。

 

■使用環境
オーディオインターフェース:MOTU Traveler mk3
ノートパソコン:HP EliteBook 8570p
OS:Windows10 Pro 64bit (バージョン1607 ビルド14393.576)
アプリケーション(DAW):Steinberg Nuendo (バージョン6.0.7)

 

このPCにはオンボードでFireWire(IEEE1394)インターフェースが備わっており、Windows10をクリーンインストールするとデフォルトで有効になるIEEE1394ドライバーは"JMicron OHCI Compliant IEEE 1394 Host Controller"というものです。オンボードのFireWireポートはMacintoshで一般的な6ピンではなくDV(i.LINK)仕様の4ピンコネクタです。内蔵チップセットは確認していないので不明です。玄人志向製のExpress Card/34の6ピンFireWireカードも持っていますが、今までオンボードのFireWireにTravelerを繋いでも問題なく使用できていました。しかしWindows10のデフォルトドライバーでは"JMicron OHCI Compliant IEEE 1394 Host Controller"を選んでも"1394 OHCI Compliant Host Controller"を選んでもスムーズに動いてくれません。

 

■Windows8.1用のレガシードライバーをインストールするがドライバーの更新で表示されない
使用するのはWindows8.1用のレガシードライバー(KB2970191)です。

 

[参考] Windows 8.1 または Windows 8 の FireWire ポート ベースのデバイスが正常に動作しません。
https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/2970191

 

まずはこのmsiファイルを上記のページからダウンロードして保存します。
そして説明のとおりにダブルクリックしてインストールします。
"Windowsキー+X"のメニューから"プログラムと機能"に進んで見ると"1394 OHCI Compliant Host Controller (Legacy)"がインストールされているように見えます。


しかし、デバイスマネージャーからIEEE1394ホストコントローラーのドライバータブを選んで、"ドライバーの更新"→"コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索します"→"コンピューター上のデバイスドライバーの一覧から選択します"に進んでも、その一覧中に表示されているはずの"1394 OHCI Compliant Host Controller (Legacy)"が見当たりません。

どうも使用環境によって表示される場合と表示されない場合があるらしいです。

 

■msiパッケージを展開しようとするがエラー
そこで、一旦"プログラムと機能"から"1394 OHCI Compliant Host Controller (Legacy)"をアンインストールして、KB2970191のmsiパッケージである"1394_OHCI_LegacyDriver.msi"から実体のドライバーファイルを抜き出すことにします。

 

[参考] チラシの裏の電子工作: IEEE1394 LegacyドライバをWindows10にインストールする
http://nax9800.blog.fc2.com/blog-entry-138.html

 

手持ちのWinRARでmsiを見てみるとパッケージされているファイル名が見えますので展開しようとしましたが、「書庫が壊れています」とエラーが出て展開できません。単純にWinRARが対応していないのか、このmsiパッケージがネット上から実体ファイルを引っ張ってくる仕様なのか?

 

■コマンドラインからmsiパッケージを展開する
Windows10にはmsiパッケージを展開するためのソフト、msiexec.exe が備わっているので、これを使うことでmsiパッケージからドライバーファイルの実体を展開することができました。

 

[参考] nanoblog(ナノブログ): msiパッケージをmsiexec.exeで展開する
http://nanoappli.com/blog/archives/478

 

例えばダウンロードしたmsiパッケージがユーザー名"gankuma"のダウンロードフォルダにあって、実体ファイルを C:\TEMP フォルダに展開する場合、"Windows+X"から"コマンドプロンプト(管理者)"を起動し、次のように操作します。
※msiexec.exe のコマンドの説明は上記のブログ記事に詳しいです。

Microsoft Windows [Version 10.0.14393]
(c) 2016 Microsoft Corporation. All rights reserved.
C:\Windows\system32>cd C:\Users\gankuma\Downloads
C:\Users\gankuma\Downloads>dir
ドライブ C のボリューム ラベルがありません。
ボリューム シリアル番号は AAF6-1257 です
C:\Users\gankuma\Downloads のディレクトリ
2016/12/15 15:00 <DIR> .
2016/12/15 15:00 <DIR> ..
2016/12/15 12:40 208,896 1394_OHCI_LegacyDriver.msi
1 個のファイル 208,896 バイト
2 個のディレクトリ 391,614,660,608 バイトの空き領域

C:\Users\gankuma\Downloads>start /wait msiexec.exe /a 1394_OHCI_LegacyDriver.msi targetdir="c:\TEMP" /qn /li "c:\TEMP\install.log" C:\Users\gankuma\Downloads>cd C:\TEMP C:\TEMP>dir ドライブ C のボリューム ラベルがありません。 ボリューム シリアル番号は AAF6-1257 です C:\TEMP のディレクトリ 2016/12/15 13:31 <DIR> . 2016/12/15 13:31 <DIR> .. 2016/12/15 13:31 <DIR> 1394 OHCI Compliant Host Controller (Legacy) 2016/12/15 13:31 32,768 1394_OHCI_LegacyDriver.msi 2016/12/15 13:31 2,528 install.log 2 個のファイル 35,296 バイト 3 個のディレクトリ 391,609,114,624 バイトの空き領域
C:\TEMP>


エクスプローラーからC:\TEMPフォルダを開くと、無事にドライバーファイルが展開されていました。"ドライバーの更新"→"コンピューターを参照してドライバーソフトウェアを検索します"から、参照ボタンを押、ドライバーが展開されたフォルダを指定してインストールすることで、ようやくレガシードライバーが選択できるようになりました。

 

Legacyドライバー導入前はつっかかりもっかかりだったオーディオインターフェースでしたが、今のところ問題なく使用できています。

 

(がんくま)
 

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TOA F-600SR レストア(5)

テーマ:

◆パンチメタルカバーの補修
F-600SRは出荷当時グレー塗装だったはずですが、私が入手した時にはツヤ消しブラックで塗られており、その上から剥げたところや錆びたところをツヤ有りブラックで乱暴に塗られていて、ちょっとみすぼらしい感じです。まずサビと古い塗膜を400番のペーパーで削り落とします。

 

削ったら一瞬出荷当時のロゴが出現。

F-600SR 当時のロゴ

ツヤ消しブラックのスプレーで再塗装しました。

F-600SR カバー再塗装

キレイになりました。正面から見ている限り、元のオンボロスピーカーにはもう見えません。

F-600SR 再塗装完了

欠品しているカバーの止めボルトをどうするか。上の写真ではとりあえず手元にあったM6の六角ボルトとゴムシートでそれっぽく仕立ててみましたが、イマイチ印象が薄いです。

 

この部品の入手が可能かどうか、TOA社に問い合わせましたが、F-600SRの部品は2005年に提供終了しているので無い、とのことでした。後継機種のF-601SRも同じ部品なので期待したのですが、ちょっとつれない返事で残念です。無いものは無いと割り切って代替策を考えます。

 

F600SR 化粧ねじ比較

代わりに手配したのは EPS-K M6-20-12 という化粧ビスです。

http://kitweb.co.jp/products/ornament/eps/eps-k.html

サイズや見た目はわりかし近いです。クロームのままでは光るので艶消し黒で塗りました。

F600SR ねじ塗装後

 

◆入出力端子をフォンにする。
ノイトリック製のXLRジャックが付いているので、片方を取り外し、トモカで売っているノイトリック仕様のコネクタプレートを買ってきてフォンジャックを付け、半田付け。F-600SRでは全てのコネクタが中で並列接続されているのでどこに付けても音は鳴ります。

F-600SR コネクタ交換前

F-600SR コネクタ交換中

F-600SR コネクタ交換後

しかし、ネジは締まりましたが斜めです。旧タイプの縦長ITT-Canonと同じサイズのようです。美しく作ろうと思ったらプレート自作するしかないなぁ。

 

◆スタンドアダプターを付ける

F-600SRの横にはスタンドアダプターを付けるM8の穴があるので、CLASSIC PROのSM10を取り寄せてM8*25mmの蝶ボルトと平ワッシャーで固定します。

 

スタンドで立てると横に寝かせた状態になります。見た目だけならBOSE 301っぽく見えなくもない。あり得ないデカさだけど。

F600SR スタンド装着(グリル付)

前述のようにツイーターとバスレフポートの位置を入れ替えているので天地を逆にすれば左右対称に設置できます。

F600SR スタンド装着(グリル無)

F600SR スタンド装着裏面

縦置きでスタンドに設置するEV SX300と比べると横幅をとりますのでステージが狭い場所だと少々目立ちます。重量もやや重く、設置運搬はSX300のほうがやりやすい感じです。サイズ自体はF-600SRのほうがSX300よりも小さく、特に奥行が短くて薄いので、天井から吊るしたり奥行きが狭い場所で使ったりするのには向いていると思います。

 

◆鳴らしてみる
個人的な印象としてはSX300と比べると音が丸いです。高域が透き通るような突き抜け方をせず、低域も無理をして伸ばしている感が無く、全体に地味目な印象。ヤマハやEVのPA用スピーカーと比較すると、飛びがイマイチな印象になるかもしれません(一般家庭における小音量試聴なのでパワー入れたらまた印象が変わるかも)。もともと公共施設などの設備用スピーカーに定評があるメーカーなので、パキッとした抜けの良いサウンドでは無いようです。人声については安定していて聞きやすく、ボーカル中心の音楽は芯があって良い感じに再生するように思います。

 

ネットワーク基板上にある"HF -2dB"のジャンパを"HF 0dB"に差し替えてみました。

F-600SR ネットワーク基板のジャンパ

すると最初の地味な音から、シャッキリとした今風の音?に変化しました。それでも高域の上限が伸びるわけではありませんが、解像度は多少改善されます。PA的にはこっちのほうが普通な気がします。背面に高域調整用のボリュームがあるので、このジャンパは0dBにしておいてボリュームで調整するほうが実用的なのでは?

 

なお最初に書いたように、ネットワークのコンデンサーを交換する前後の比較では、ガサガサした痩せ気味の音から、音楽的で肉厚な音に変化したので、製造からかなりの年月が経過しているこのスピーカーの中古品を入手したら、コンデンサーの交換をお奨めします。

 

当記事を参考に作業をされる場合は、自己責任でお願いいたします。

 

(がんくま)

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TOA F-600SR レストア(4)

テーマ:

◆サランネットの張り替え

ツイーターとバスレフポートを覆うフロントグリルのサランネット、元々グレー系の色だったはずなのに赤茶けた色になっており、触るとボロボロと粉が落ちます。切って剥がすと、フレームは硬質樹脂製で前面側には両面テープが張ってありました。

F-600SR 古いネットを剥がす

サランネットの端は溶接したかのように綺麗に圧着されています。木材ならタッカーで固定できますがプラスチックなので、接着剤で止める位しか考えつきません。

F-600SR グリル修理前

布の寸法は織り込み分も含めて39x26cm程度です。コイズミ無線で売っている規格品のジャージー布45cmx60cmを購入して2枚作ります。色は黒や、もっと明るいシルバーやライトグレーも考えましたが、フレームの色が濃いのでやはり本来のグレー系に落ち着きました。

 

ジャージー B3112-45(ストレートグレー) 
http://dp00000116.shop-pro.jp/?pid=103357702

 

フレームに新しい両面テープを貼ります。内側の穴に近い側に貼ったほうが後々のたるみ防止に良いようです。

F-600SR グリル両面テープ

霧吹きで少しだけ湿らせたジャージー布(表裏に注意)を机の上に敷き、まず長辺の片側を付ける。残りの両面テープをはがし、布を少し引っ張りながら貼る。引っ張りながら貼らないと後で触っただけでたるみます。

 

続いて4隅の角を先に接着します。接着剤として「セメダインスーパーX」を使用しましたが、結構時間がかかるので瞬間接着剤のほうがサクサクと固定出来て良いのかもしれない。

F-600SR グリル角処理

先に4隅を貼ってから長辺側・短辺側に引っ張って貼ることで、上手い具合に角部分の布の折り畳みを無くすことができます。

F-600SR グリル角部分処理

長辺側・短辺側も接着して、乾いたらカッターで余長を切ります。

F-600SR グリル接着中

F-600SR グリル修復前後比較

欠損しているダボ部分は、家具用の直径6mmの木製ダボを切って中心に穴を開け、爪楊枝を芯材にして接着剤で固定しました。

F-600SR ダボ再生部分

使用したジャージー布は、店頭では暗い色に見えましたが装着してみると意外と明るい。

F-600SR 修復後のグリルを装着


つづく
(がんくま)

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