Symetrix Lucid 88192 のノイズ修理

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Lucid 88192は24bit/192Hzに対応した8ch AD/DAコンバーターで、知人の所有物ですが、3-4chにシャーという大きなノイズがのっておりなんとかならないか、という相談を受けました。ノイズはANALOG INPUTのメータでもDIGITAL OUTPUTのメーターでも確認できます。

 

88192の内部は「A/D部、D/A+SYSTEM部、電源部」の3つのブロックに分かれており、A/D部を切り離すとメーターが振れなくなったので、原因がA/D基板であることがわかりました。

 

修理前のA/D基板3-4chです。

上側がアナログ入力部でPGA2311はお馴染みのバーブラウン製電子ボリューム、下側がA/DコンバータのCirrus Logic CS5381です。CS5381のデータシートからピンを割り出し、4ch側の入力を浮かしてみましたがノイズは止まりません。つまり、ノイズ源はアナログ部ではなくA/Dコンバーター以降で発生していることになります。この時点ではオシロが無かったため、CS5381へ供給される電源の電圧をテスターでチェックした所、ノイズが発生している3-4chのみVA(アナログ回路用電源)の電圧が高い事が判明しました。1-2ch,5-6ch,7-8chは4.94Vなのに対して3-4chは5.36Vです。VA電源の回路のレギュレータか平滑コンデンサが怪しい。

 

後日、オシロを持ってきてVAの電源波形を見るとはっきりと波打っています。調べてみると隣の1-2chのレギュレーターの出力波形も少し波打っているのだが、3-4chは特にひどい。

3-4chの修理前波形を撮り忘れてしまったので、上の写真は1-2chの修理前波形ですが、3-4chは同レンジでこの倍以上の大きさで歪んでいました。

 

最も怪しいレギュレータ横の6.3V 47uFと、同じ容量の隣のコンデンサを交換することにしました。コンデンサを外すときに失敗してランドを剥がしてしまい、ランドの配線先に直接半田付けしています。交換の結果、波形がまっすぐになって雑音も消えました。

3-4chの修理後の波形。とってもきれいである。

ということは1-2chの波形も正常な状態ではなく、悪くなりかけ、であると判断できます。5-6ch/7-8chの波形を見ると1-2chと同様にリプルが見られます。3-4ch以外のchは、本体のメーターに現れるようなノイズはありませんが、それでも無信号のノイズをゲインアップして聞いてみると、修理後の3-4chが綺麗なホワイトノイズなのに対して、チリチリゴロゴロと確かにノイズがのっています。

 

翌日、更に部品を買い足してきて3-4ch以外の1-2/5-6/7-8chの47uFコンデンサ交換を行います。今度はランドを剥がさないように注意しました。交換後の波形を見てみると、交換前より全チャンネルで小さくなりました。

が、3-4chと比べるとまだ僅かにリプル成分が残っています。交換した2つのコンデンサと同じくAUDIO-GNDにマイナス側が落ちているのは、レギュレーター横の10uFのコンデンサ。

それも交換してみたところ3-4chと同じく真っ直ぐで綺麗なDC波形になりました。1~8chまですべてのチャンネルで10uFも交換しました。

 

無信号時の出力を増幅して聞いてみても全チャンネル綺麗なホワイトノイズです。これで安心して収録に使えます。

この機種の前機種Lucid 8824も表面実装コンデンサの不良が指摘されていましたが、88192も同様の傾向があるようです。リフロー時の熱によるものなのか、レギュレーターに近いがための経年変化なのかは不明です。場合によっては他のコンデンサも交換しないといけないかもしれないので、大変高価な品ですが中古に手を出すのはちょっと気が引けますね・・・。

 

この他に、表面のディスプレイが暗くなる(薄くなる)場合があるようです。この個体は読めないほど暗くなっているわけではありませんが、ためしに表示部を外してススをぬぐってみました。しかし視認度は変わらず。VFD(蛍光表示管)なので、FLシートを交換して明るさ再生、のような手は使えません。ちなみにVFD基板はKORGのNuTUBEを作っているノリタケ伊勢電子製でした。

 

当記事を参考に作業をされる場合は、自己責任でお願いいたします。

 

(がんくま)

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BEHRINGER ADA8000 の放熱対策

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ADATとアナログ信号の変換パッチとして、街場のスタジオでもよく見かけるBEHRINGER ADA8000です。持ち主によると、過去に熱暴走?らしき症状が出て不安、とのことでしたので開けてみました。
ADA8K 前面

その結果、電源のIECコネクタの脇に並んでいる3個の三端子レギュレータICの横にある25V 1000μF(85℃)の電解コンデンサが少々膨らんでいました。その時点で症状は出なかったのですが、電圧と温度にマージンのある国産品に交換しました。
ADA8K 改造前
しかし、この3つの三端子レギュレータIC(7805)のうち、背面パネルに最も近いものは電源投入後数分で、触ると火傷をする位熱くなります。電解コンデンサが膨らんだのもこれに原因があるのではないかと思われました。そこで、放熱対策としてこの3つの三端子レギュレータICを取り外し、アルミ製ラックマウント耳の裏側に取りつけることにしました。

左右の耳に2.6mmの下穴を開け、M3のネジ溝を切ります。
ADA8K ラックマウント部穴開け

取り外したICの場所からリード線を引き出す。
ADA8K リード線引き出し

一番過熱する背面パネル寄りのレギュレータは電源スイッチ横(正面から向かって右側の耳)に、ほかの2つは反対側(正面から向かって左側の耳)に、熱伝導シリコンラバーを挟んで取り付けました。
ADA8K 右側マウント耳
ADA8K 左側マウント耳

絶縁プラワッシャーは7805なので不要だったと思いますが、これを挟むとケース表面部分へのネジのでっぱりが丁度良い加減なので結局付けています。
ADA8K ネジのでっぱり具合

リード線がだいぶ長くなるのがどうかな?と思いましたが今の所正常に動作しています。通電後ラック耳を触ってもほとんど熱を感じないので放熱効果は高いはず。夏場もこれで安心です。たぶん。
ADA8K 配線状況

(がんくま)
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去る9月4日と5日に、新作オーディオドラマ用のセリフ録音を行いました。

 

タイトル「磁空のかなた、忘却の夏」

 

【出演】

今宮ゆう

くろ。

杉宮加奈

かがみがわとうこ

きょりす

肉色レグホン

南瓜南

ささのは

 

【スタッフ】
脚本・編集:がんくま
録音:Ping-key
 

ご出演、ご協力いただいた皆様ありがとうございました&おつかれさまでした。

本作品はカセットテープ同人即売会でのリリースを目指しているので、内容も磁気テープ(オープンリール)の話に特化しています。

ただいま編集中です。

 

(がんくま)

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