同製品はWindows7以来、しばらく使っていなかったのですが、一人録音の時にブース内から外のDAWを操作する時にあると便利なので、久々に使ってみることにしました。なお、加水分解でベタベタになってしまう青い塗膜は4、5年前に薬剤でぬぐっているのでうちのはベタベタしてません。

現行のWindows用最後のドライバは、TACSYSTEMさんの製品紹介ページから辿れるメーカーサイト
http://frontierdesign.com/Support/Downloads
にある、AlphaTrack Windows Installer v1.3で、Windows7用のものですが64bitにも対応しています。

これをWindows10で普通にダブルクリックしてインストールすると、最後の所で「このOSには対応していません」みたいな英語が表示されてUSB-MIDIデバイスとして認識されないと思います。デバイスマネージャーを開くとAlphaTrack自体はリストにありますが、「このデバイス用のドライバーがインストールされていません」状態になっています。

インストーラーが動いていれば C:\Program Files\AlphaTrack 以下に必要なファイル類が展開されていますので、デバイスマネージャーからドライバインストールの参照先として上記のフォルダを指定してやればドライバーがインストールされます。Windowsの設定を切り換えて再起動する、「署名なしのドライバーをインストールする」手順は不要でした。

後は通常のインストールと同様に使うアプリに応じてPlug-inを入れます。

Nuendo6 64bit(Cubaseも一緒)の場合は、Cubase/Nuendo 64-bit Win Plug-in v1.0.7(AlphaTrackCN64.dll)を、
C:\Program Files\Steinberg\Nuendo 6\Components
フォルダにコピーし、Nuendo起動後にデバイス設定>リモートデバイスから+/-の+ボタンをクリックしてFrontier AlphaTrackを追加し、AlphaTrackのタブ内でMIDI IN/OUTに"Alpha Track"を指定します。

HUIモードで使うのであれば、Cubase/Nuendo 64-bit Win Plug-in v1.0.7(AlphaTrackCN64.dll)を入れずともリモートデバイスのMIDI IN/OUTに"Alpha Track"を指定すれば動きます。

REAPER4用の設定ファイルはメーカーサイトには無く、下記からダウンロードできます。
AlphaTrack (PRO) Control surface plugin
http://forum.cockos.com/showthread.php?t=81889

(がんくま)
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このブログでもCDプレーヤーの修理の話を何度か書いています。ぶっちゃけ、自宅にあるCDプレーヤーの数が尋常じゃないです。9~10台位持ってるかも。なので、買う必要性はまったく無いのですが、今回のSONY CDP-CX350は、ハードオフのジャンク品コーナーで見かけた時「これどういう仕組みで動いてるんだろう?知りたい、中が見たい、バラしたい」という欲望にかられ、うっかり購入してしまいました。CDが300枚入るチェンジャープレーヤーです。「~動いてるんだろう?」と書きましたがジャンク品なので「動きません」と明示されていました。ジャンク品にしてはリモコンも付いていて傷も少なく、外観は良い状態。

 

過去の名機を掲載している「オーディオの足跡」様に紹介ページがありました。1999年発売で定価\59,000、意外と安くないですか?

 

SONYは1980年台から多種多様なCDプレーヤーを作っていて、複数機種を同時に販売していた上、CD搭載のミニコンやラジカセ等も大量に作って売っていました。きっと1999年頃にはCDプレーヤーの生産技術も枯れていたのでしょう。チェンジャー部分は特殊ですが、それ以外の部分はこなれていて必要最小限の設計となっている印象を受けます。 外形サイズは大きいが、持ってみると意外と軽く、重量は3.5kgしかありません。CDを300枚入れると、CD1枚15gとして4.5kgですから、CDの重さのほうが本体の重量に勝ります。

 

この300枚チェンジャーはCDP-CX300が原型で、構造はCX350に至っても殆ど変わりません。ネットを検索すると、CX300を分解してベルトを交換している動画がありました。

Sony CDP-CX300 300 Disc Changer Belt Repair and Maintenance While Full  

Sony CD Player Belt Replacement  

Sony 300 Disc CD Changer CDP CX355 Repair and Demonstration  

私が購入したものも通電するとモーターがうなるだけでトレーが回らず、これらの動画と同じ故障です。動画を参考に分解します。

 

内部で目を引くのが、回転するCDトレー円盤です。他のCDプレーヤーには無い風景で、面白くて何枚も写真をとってしまいました。 

なんとなく原子炉の格納容器とか、核融合炉、未来の宇宙船やスペースコロニーの内部を連想しませんか??

 

動かない原因は、背面パネル近くにある2本のゴムベルトが劣化して伸びたり外れたりしているためです。

まずはこれらを交換しないと他の部分の動作確認もできません。 外そうとしたら溶けてべとべとのねちょねちょです。

あまり使っていた形跡が無いので保管中に固着して溶けてしまったようです。プーリーから外した後、溶けたゴムをアルコールで溝の中まで拭き取ります。 このようにゴムベルトが溶けてしまった場合はサイズがわかりませんので、リード線を使って円周を測り、円周率で割って直径を出し、そのサイズより少し小さい内径のベルトを取り寄せると修理できます。

しかし、ソニーは個人にも部品を売ってくれる貴重な会社です。まずは純正品の在庫をあたってみます。先程の2箇所のベルトは、CDトレーの円盤を回すベルトと、CDをトレーから取り出して、読み取りデッキ部分のクランパーで挟み込むローディング動作のためのベルトの2本です。この他に、CDトレーの下にフロント扉を開閉するためのベルトがあります。

こちらは溶けてはいませんでしたが交換します。よって必要なゴムベルトは全部で3本です。ソニーサービスステーションで調べたパーツ型番は次のとおりです。

 

・CDトレー回転用ゴムベルト/ローディング用ゴムベルト

4-216-061-01 \300/本(要2本)

・フロント扉開閉用ゴムベルト

4-219-326-01 \500/本

 

直径はCDトレー回転用ゴムベルト/ローディング用ゴムベルトのほうがやや大きい。お値段は千石電商で売っている汎用ゴムベルトより高いですが、実際に純正品の直径を測ってみると、どちらも汎用品にあるサイズではないので、手に入るうちは純正品を使ったほうが良いです。もしもメーカーの在庫が尽きたら、少しサイズが小さめな汎用品を使うことになるでしょう。部品は、発注した翌日にはサービスステーションに届いたとの連絡がありました。

 

部品引取後、早速、プーリーにベルトをかけ替えできる所まで分解して交換します。交換に際し、ベルトに油分が付着しないように気をつけます(もし付着したらイソプロピルアルコールで清掃すること)。

フロント扉の開閉用ベルトも交換します。

扉の開閉歯車部分と、CDを読み取りデッキにピッキングする機構の歯車部分にはそれぞれメカ位相がありますが、ベルトを交換するだけなら位相がズレる所まで分解する必要はありませんでした。

回転トレーの位置は、外した時とズレていても自動で認識してくれます。 ベルト交換後、グリスが枯渇している摺動部分にはプラスチックグリースを塗って元通りに組み立て、通電すると、扉とトレーが回転し、無事にCDを読み込みました。

 

この仕組みが見たくて買ったので、音が出なくても結構満足(笑)。トレーの位置と表示盤数がズレていたりすると隠しメニューを使った位置調整が必要らしいですが、特に問題は無いようです。ネット上で英語版のサービスマニュアルが入手できれば、位置調整方法などはそちらでわかるでしょう。

 

再生音を出してのチェックではCD1枚中に2~3回音が飛んだので、デッキメカ部分を分解します。使われているピックアップはKSS-213Bでした。

症状が軽いので、デッキメカは分解せず、ピックアップのレーザー出力も調整せず、レンズ部分をイソプロピルアルコールでクリーニングして、スピンドルとスライドシャフトに軽く注油するだけにしました。今のところそれで大丈夫なようです。

付属のリモコンは液晶にライン抜けがあります。でも、使えるリモコンが付いてきただけでも上等です。文字入力もできて、CDプレーヤーからの文字情報を通信表示できる、なかなか高度なリモコンです。買えばけっこうなお値段なんじゃないかな。

この機種、購入価格も安く修理も簡単で満足度高かったのですが、じゃあこれ日常的に使うかといえばそうでもない。でも使わないとまたゴムベルトが固まったり溶けたりしてしまいます。適度に使い続けるの大事なんですよね~。

 

当記事を参考にした修理は自己責任でお願いいたします。

 

(がんくま)

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民生機ですが知人から修理を依頼されました。要望のあった動作不良箇所は次の通り。

・モードセレクター切換時に音が出なくなる時がある

指摘症状は確認できました。モードセレクターというのはMA6200のパネル右下にある"STEREO"や"MONO(L+R)"や"L+RtoL"などの出力信号経路を切り換えるスイッチで、普通のプリメインアンプには付いていません。そういえばこのアンプ、ラウドネスに加えてグライコが付いているのも珍しいですね。モードセレクターを切り換えて音が出ない時に、パネル左下のインプットセレクターを回すと音が出る場合があるので、インプットセレクターもあやしい。

分解します(写真は修理中のもの)。各ツマミは強く引けば外れます。マッキントッシュに特徴的な透明感のある黒いパネルはガラス製なので、傷はつきにくいのですが、衝撃を加えると割れるので慎重に取り外します。
 
問題のモードセレクターとインプットセレクターの作業前の様子です。
 
どちらも回転する金属円盤に真っ黒な汚れが付着しています。アップで見るとこんな感じ。
これをクリーナーの溶剤と綿棒を使って、板を曲げないように清掃していきます。普段の修理で使用している溶剤は、エタノール、イソプロパノール、サンハヤトのリレークリーナー、灯油、アセトン、自動車用のパーツクリーナーなどですが、汚れや使用部材の種類によって使い分けます(溶剤によってはプラスチックやゴムを溶かすので注意が必要)。場合によってはコンパウンドも使用します。綿棒は、どこでも入手できる通常の綿棒が広い面積の清掃や先をほぐしてホコリや汚れを取るのに向いていますが、直角部分の角や狭い溝の清掃には専用の「工業用綿棒」を使います。普通の綿棒より高価ですが、これが無いと清掃は不可能です。
 
清掃中の様子。回転板や接点は両面にあるので、写真に写っている部分の裏側にもあります。

インプットセレクターの回転板は全4面で、そのままでは清掃が難しいので分解します。回転板の汚れが落ちて金属光沢に戻っていく様子がわかりますが、実際には円盤表面の大部分は接点ではありませんで、板の切れ目の角や中心軸に近い直角部分の角、板を挟むバネ状の金属接点側の汚れや摩耗で接触不良が発生していますから、回転板の見た目が綺麗になった所で満足せずに細かい部分をケアしていかねばなりません。バネ接点の内側は細く切った耐水ペーパーを挟んで軽く磨き、爪楊枝の先で軽くバネ圧を調整します。
すべての接点を清掃できたらブロアーで粉を飛ばし、念のため各バネの先端にDeoxIT(CAIG)の接点復活剤を施してから、揮発性のリレークリーナーで全体の汚れや復活剤を流し去り、仕上げに回転板に薄く接点グリス(導電グリス)を塗って組み立てます。ついでに回転機構部分のグリスも補充し、配線を接続して動作確認を行います。駄目な箇所が出たらもう一度。そんなこんなで、マメにやると結構時間がかかって面倒な作業です。お手軽修理としては単純に接点復活剤をスプレーすることで一時的に接触が回復する場合もありますが、自分の経験では半年~1年後に症状が再発する場合が多いです。セレクターの部品は摩耗しますので、乱暴にガチャガチャと回転させず、切り換えを丁寧に行うと寿命が伸びると思います。が、といってまったく回転させないと接点が酸化して汚れが付着しますので、時々回してあげる必要もあります。ツンデレですね。

依頼症状が改善したところでAUXにCDプレーヤーをつないで試聴してみると、音が眠いというか、高域がだらっとしています。これはこれで好きな人は好きなのでしょうが、個人的にはイマイチです。TAPE INに音源をつなぐと音が違うので調べてみると、AUX1/2とTUNERの入力にのみカップリングコンデンサーが入っていました。
まず間違いなくこれの劣化が原因なので、持ち主に音が変わる可能性を確認してから交換します。
全体に部品の実装密度が低いMA6200の内部にあって、カップリングコンデンサーの短冊状の基板はRCAジャックの根本に半田付けで固定されていて、取り外しが面倒です。寿命が長いフィルムコンにすることも考えましたが、実装場所が狭いので、一般的なニチコンMUSEにしてみました。高域低域ともに出音が改善されました。
 
このように製造から30年以上経過しているので、普通に考えて化学製品であるすべての電解コンデンサの特性が劣化しているはずですが、依頼症状は完治しているので全電解コンデンサを交換するつもりはありません。交換すると音も変わってしまうので、自分の所有物ならともかく、持ち主がそれを良しとするかはわかりませんので。使ってある電解コンデンサは一部をのぞいて日本製(ニチコン)で、このアンプが長寿命であるのに貢献していると思います。今後の傾向を把握するために電源・パワーガード基板のみ、電解コンデンサを交換してみました。

 
交換するコンデンサはオーディオ用の高級品ではなく、交換前と同じニチコン製の一般用コンデンサです。
このアンプが設計製造された当時はオーディオ用のコンデンサなどというものは無く、利用されているのは今で言う一般電源用コンデンサです。過去に修理したアンプでも、利用部位を問わずにすべてをオーディオ用電解にしてしまうと、出音にパンチが無くなる現象が出たので今は考えて使っています。しかし技術の進歩で電解コンデンサって小さくなりましたね。電気的な知識が無いと、小さくなったコンデンサでスカスカになった基板の写真を見せると怒る人も以前いらっしゃいましたが(苦笑)。
金色の2つのチューブラー型コンデンサはドイツ製で、この状態で一度試聴を行った後、これのみ部品箱にあった必要以上に耐圧の高いニチコンKWにしました。
 
今回交換した中で一番音が変わったのはここで(といっても程度問題ですけど)、イージーゴーイングなゆるい音から、やや繊細で深みのある(弾性がある)音になりました。大抵の場合、特性が回復すると今風の音に近付くわけで、私はこっちのほうが良いと思いましたが、念のため元に戻せるように、交換部品は保存して持ち主に返却します。

これがもし自分の持ち物だったら、折を見てフォノアンプとグライコのオペアンプ周辺→パワーアンプ基板の順にコンデンサを交換し、音の変化を見ていくと思いますけど、前述の通りで特に致命的な問題が出ているわけではないので、リキャップは現状に不満が出てからで良いと思います。
 
今回未着手のイコライザー基板(下側)。フォノアンプはシャシー下面にあります。1979年発売の製品ですが、ガラエポ基板なのも良いですね。右側のパワーガード表示部へ繋がるフラットケーブルは接着剤が劣化して剥離しますので補修します。
 
左右のパワーアンプ基板と背面パネル裏側。「無線と実験」を読んで自作アンプを作った経験があるような人は、マッキンの部品配置や配線を理想としていた。
 
各ハーネスの接点と、2つ付いているリレーの接点とソケット、オペアンプの足も洗浄しました。
 
 
黒いガラスのパネルは、裏側に光を伝えるためのアクリル板が付いていて、光を遮ったり、ガラスを金属部分に保持するためのスポンジが、ガラス裏や枠の金属レールに貼ってあります。このスポンジが加水分解で粉状に劣化してボロボロになっていますので、全て貼り替えます。
 
本来アクリル板の裏に付いているゴムが溶け、ガラス板の裏側の黒い塗装に固着して塗装を剥いでしまっていますので(表側から見るとパネルに空気の泡が入っているように見えます)、
 
固着したゴムを剥いだあと、黒いペンキを塗って修正します。
アクリル板側には新しいゴム板を貼りました。
 
以上で修理完了しました。今回の故障原因は経年劣化による摩耗や汚れなので、いつかまた再発するわけですが、できるだけ長く使えると良いのですが。でも、今まで30年間ノーメンテで保ったのだから、機械を褒めてあげないとね。
 
(がんくま) 
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